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#45

“Athlete”池透暢(日本代表キャプテン)
“With”ケビン・オアー(日本代表ヘッドコーチ)

日本中を沸かせたラグビーワールドカップ・日本チームの躍進。
もう一つ闘志あふれるラグビー日本代表がある。
両手両足に障がいがある選手たちの「車いすラグビー」・日本代表チームだ。

リオパラリンピックで銅メダル。現在世界ランキング3位。
このチームを引っ張っているのは、キャプテンの池透暢(39)

19歳の時、交通事故で友人3人が亡くなり、池は全身の7割以上を火傷した。
左足を切断し左手の握力も失った。
その後2年半に渡る入院で、皮膚の移植などの手術は約40回にも及んだ。
希望を見いだせない日々が続く中、リハビリの過程である想いが芽生える。
「事故で亡くなった友人3人のために這ってでも生き抜いていこう。
友人の分まで何か生きた証を残したい」

東京パラリンピックで悲願の金メダル獲得へ猛特訓を続ける池。
同じ夢を共に目指すのが2017年に就任した日本代表ケビン・オアーヘッドコーチ(51)アメリカ代表で銅メダル、カナダ代表で銀メダルを獲得している名将だ。

世界トップレベルにある日本が、世界一になるために必要なこと。ケビンが伝え続けているのは「仲間を信じる気持ち」の大切さ。
車いすラグビーは障がいが軽い選手と両方を起用してチーム編成をしなければならない。
障がいの程度に関係なく、仲間を信じてチームワークを駆使することが勝利につながるという。

さらにオアーヘッドコーチは池がアメリカへ武者修業する際に相談に乗ったり、休日には一緒に釣りに出かけたり、公私に渡りサポート。
池はオアーヘッドコーチの元、キャプテンとしても選手としても成長を続けている。

お互いを信じ合うチームワーク武器に、東京パラリンピックで悲願の金メダル獲得へ挑む。


池 透暢(いけ ゆきのぶ)※写真左

日興アセットマネジメント所属
1980年7月21日 高知県生まれ。
19歳の時、交通事故で全身7割以上を火傷。2年半入院生活を送る。
23歳の時、車いすバスケットボールを始め、日本代表の合宿にも参加。
32歳の時、車いすラグビーに転向。
34歳で日本代表のキャプテンに選ばれる。
2016年、リオパラリンピックで銅メダルを獲得。
2018年 、車いすラグビー世界選手権で初優勝を果たす。

ケビン・オアー ※写真右

1968年6月29日 アメリカ生まれ。
先天性の病で下半身がまひ。
1988年、ソウルパラリンピックに車いす陸上で出場 2つの銅メダルを獲得。
その後車いすラグビーに興味を持ち指導者の道へ。
アラバマ州にクラブチームを作り、全米選手権で優勝まで導く。
その後ヘッドコーチとして米国やカナダを指導。
2004年、アメリカ代表はアテネパラリンピックで銅メダル。
2012年、カナダ代表はロンドンパラリンピック銀メダル。
2017年2月、日本代表ヘッドコーチに就任。
2018年、車いすラグビー世界選手権で初優勝を果たす。