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#27

“Athlete”唐澤剣也 (陸上中長距離) “With”清野衣里子(せいのえりこ)(鍼灸・あんまマッサージ指圧師)

パラ陸上中長距離の種目で注目を浴びている選手がいる。
全盲の陸上ランナー唐澤剣也23歳。

小さい頃から走ることが好きな少年だった。
2020年に東京パラリンピックの開催を知り、2016年に競技を始めた。
競技を始めてからわずか1年半で5000m世界ランキング4位という快挙を成し遂げている。(2018年6月8日時点)

パラリンピックの陸上競技は障がいの種類や程度によって細かくクラス分けされている。
生まれつき弱視で、小学4年生の時に完全に視力を失った唐澤は、で最も重いT-11クラスに属している。
このクラスは伴走者の並走が義務付けられており、唐澤は自身の伴走者を探すにあたってある女性に相談をした。

唐澤が通っていた盲学校の先輩でもあり、現在、鍼灸マッサージ院を営んでいる清野衣里子(せいのえりこ)(61)だ。

唐澤が本気で東京パラリンピックを目指していると知った彼女は、自身のマッサージ院に通っている陸上選手たちに協力を求めた。
するとスカイランニングの日本代表経験者や高校・大学の陸上部で活躍した錚々たるランナーたちが手を差し伸べてくれた。

清野やガイドランナー達、いくつものキズナを力に急成長する唐澤の東京パラリンピックへの挑戦の日々を追った。

唐澤剣也(23)※写真左

群馬県立点字図書館勤務。
小学4年生の時に先天性網膜剥離で視力を失い、中学卒業時に光覚を失い全盲になる。
盲学校時代、体育の授業の一環として陸上と出合った。
現在、1500mで世界ランキング6位、5000mで世界ランキング4位。
(2018年6月8日取材時点)

清野衣里子(61)※写真右

鍼灸マッサージ院「からだの地図帳」を経営。
唐澤剣也の盲学校の先輩で、盲学校の職業体験で唐澤と知り合う。
大会では人一倍声を出して応援し、生活面では練習後の体の入念なマッサージなど、公私にわたって唐澤をサポートしている。