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#25
“Athlete”富田宇宙 パラ水泳日本代表 (視覚障がい)
“With”鷲尾拓実(日本体育大学水泳部マネージャー兼タッパー)
富田宇宙(29)※写真左
1989年2月28日 熊本県出身。
日本体育大学大学院に通い、水泳部で日々練習に励んでいる。
高校生の時に、網膜色素変性症を発症。一時は水泳を離れ、競技ダンスに打ち込むも、「障がい者として出来るスポーツ」をするために再び水泳の道に戻る。
パラ水泳春季記録会(2018):アジア新記録(400m自由形)
鷲尾拓実(21)※写真右
1996年5月13日生まれ。
日本体育大学4年生。
水泳部のマネージャー兼富田のタッパー(富田のサポーター)。彼のサポートは競技上だけではなく、日常生活にも。
彼が今取り組んでいる卒論のテーマは、富田と日々練習している「視覚障がい競泳選手、S11クラスの自由形における165cmの男性が行う最適なタッピング棒の長さについて」
3歳で水泳を始めた富田。ところが、高校2年の時、視力が狭まっていく進行性の病を発症し、高校卒業時には健常者として水泳を続けるのが困難になってしまった。
そんな富田が水泳の代わりに打ち込んだのが競技ダンス。そのダンスの奥深さに魅了された富田は、全日本大学選抜に選ばれるほどの腕前となった。しかし、そのあと更に視力が低下し、競技ダンスも断念せざるを得なくなる。
富田はダンスをやめた後、障がい者として出来るスポーツを探し、そしてパラアスリートとして水泳を再開して猛練習をする。その3年後には、見事400m自由形でアジア新記録を樹立したものの、リオパラリンピック出場はかなわなかった。
更に上を目指すために富田は日本体育大学大学院に進み、水泳部の門を叩く。同大学水泳部は数々のオリンピック選手を輩出してきた名門。他の部員たちに混じってこれまでの3倍以上というハードな練習メニューをこなし、着実にタイムを伸ばしていく。
そしてそこで、大きな出会いが待っていた。
タッパーの鷲尾拓実だ。
視覚障がいクラスの水泳で欠かせないのが、「タッピング」という技術。選手はターンやゴールの壁が目視出来ないため、体の一部をタッピング棒で叩いて合図する。
一見簡単そうに見えるがわずかなタイミングの差で試合の勝敗が決まってしまう。
鷲尾はもともと水泳選手。自身の成績が伸び悩み、他の仲間たちの支えになりたいと考えマネージャーに転向、そんな中去年、富田と出会い、タッパーを引き受けた。
それまでタッピングの経験がなかったが、一から勉強し、タッピングの技術を習得していった。富田がターンするにあたってどのタイミングが良いかを模索するために、光を完全に遮断するブラックゴーグルを装着し暗闇の中を泳いだりするなど、全力で富田をサポートしている。
水泳だけでなく、日常生活でも常に富田に寄り添い、支え続ける鷲尾。
東京パラリンピックで金メダル獲得という夢を目指し、邁進する富田と鷲尾に密着した。