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#16

”Athlete” 村上清加 (陸上 100m・走り幅跳び)
”With” 村上健二 (夫 兼 コーチ)

オリンピックと同様にパラリンピックでも連日多くの観客を集める陸上競技。
車いす、義足、視覚障がい、知的障がいなど、さまざまな障がいがある選手が出場する
ため、選手は障がいの種類や程度によって区分され、クラスごとに順位を競う。

アスリートは競技用車いすやカーボンファイバー製の義足、バランスを取るための
義手など、障がいの特性に合わせたさまざまな用具を使いこなし競技を行う。

そんな陸上競技で義足を用い、T42クラスで100m・走り幅跳びに打ち込んでいる選手が
村上清加(34)。

25歳の時に、電車の事故で右足大腿切断と左足粉砕骨折の大けがを負う。

病院で途方に暮れていた村上選手を救ったのが陸上だった。

入院から約半年後、自分らしい生き方を探そうと、同じ境遇の人が集まる
「ヘルスエンジェルス」の活動に参加した。

そこで、もともとスポーツが好きだった村上選手はどんどん陸上にのめり込んでいった。
義足への理解を深めてもらうために、ファッションショーや講演など、
陸上の枠にとらわれず色々なことにも挑戦している村上選手。

そんな村上選手を支えるのが、夫でもありコーチでもある村上健二さん。

去年11月頃、たまたま同じ練習場で練習をしていた健二さんが義足への興味から
村上選手に話しかけた。しばらく練習の様子を見ていた健二さんは、自分ならもっといい練習方法を教えてあげられると思い、村上選手のコーチをするようになった。
それをきっかけに二人は今年3月めでたく結婚。

練習では並走や義足の調整までこなし、筋力アップのために自宅にトレーニングルームを作るなど、献身的に村上選手を支えている健二さん。

いつも明るく笑顔で前向きな村上選手と常に村上選手のことを考える健二さん、
夫婦で支えあいながら東京を目指す二人に密着した。

村上清加(34歳)

所属: 長谷川体育施設株式会社
1983年7月2日生まれ
25歳の時、駅のホームを歩行中に貧血で倒れ線路に転落。電車にひかれ、右足大腿切断と左足粉砕骨折の大けがを負う。
リオパラリンピックでは出場資格を得られる世界ランク8位までにあと一歩及ばず。
現在は着々とタイムを伸ばし世界ランクも8位に。東京パラリンピック出場に向けて
夫とともに日々奮闘中。

村上健二(29歳)

所属:Stac
1988年1月13日生まれ
村上選手の夫でありコーチ。競技面・生活面の公私にわたって支える。
陸上選手の経験を活かし、独自に研究した走り方やトレーニング方法を村上選手に指導し、確実に成績を上げている。
現在は陸上に取り組みながら、小学校の体育教師もしている。