番組表
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放送内容
“Athlete”大井利江(パラ陸上砲丸投げ選手)
“With”大井須恵子(妻)、麥澤栞奈(看護大学生)
番組概要
世界へ挑戦する障がい者スポーツのトップアスリート(Challenged Athlete)と、彼らを陰で支える人々(With)に、長島三奈が迫る!
人は誰でも、1人で夢を掴むことはできない。
この番組では、幾多の困難を乗り越えて、戦い続けるアスリートたちの“強さ”と、
彼らを陰で支える者たちの静かな“情熱”に迫ります。
東北の漁師町に世界と戦い続ける男がいる。2021年東京パラリンピック、砲丸投げで金メダルを目指す大井利江(72)。
マグロ漁師をしていた大井は39歳の時に仕事中の事故で頚ずいを損傷し歩けない体になったが、リハビリを重ね、パラリンピックに円盤投げで出場。
2004年アテネパラリンピックで銀、2008年北京パラリンピックで銅とこれまでに2つのメダルを獲得している。
58歳の時には世界記録を樹立し、世界トップクラスのアスリートとして更なる活躍が期待されていた。ところが順風満帆な競技生活を送る大井に、大きな事件が起きる。
2012年ロンドンパラリンピックの後、大井のクラスでの円盤投げ種目が廃止されることに決まったのだ。
それを機に大井は円盤投げから、砲丸投げに転向。競技を変え再びパラリンピックを目指すこと決意する。
そんな大井を支える2人の女性がいる。
妻の須恵子さん(79)。左足に障害があるにもかかわらず大井に寄り添い、二人三脚で練習に明け暮れ、円盤投げでメダルを手にした。競技が変わった今も彼を突き動かすのは須恵子さんへの大きな感謝の思いからだ。
しかしパラリンピック砲丸投げのルール上、利き手で砲丸を投げられない大井は、不利な状況にあった。利き手ではない左手で投げようにも思うように力が伝わらず、距離をのばせない。
町の人など多くの人の支えもあり、2016年砲丸投げでリオパラリンピックに出場出来たものの、7位。悲願の金メダルへはまだまだ記録を伸ばさなければならない。
そんな時、大井に救世主が現れる。看護師を志す女子大生、麥澤栞奈(むぎさわかんな)さんだった。
飛距離をのばすためには体幹の強化が不可欠。そのために有効なのが水中でのトレーニングだが、大井一人では体を支えられず、溺れてしまう可能性がある。
看護大学生の麥澤さんが寄り添い、この大事なトレーニングをサポート。
70歳を過ぎても大井は記録を伸ばし続けている。
40年以上の年月寄り添いサポートを続ける妻と、孫ほど年の離れた麥澤さんの献身的な支えは、大井に強いパワーを与え、東京パラリンピック金メダルに向けて邁進する。
大井利江(おおい・としえ)
北海道・東北身体障害者陸上競技協会 所属
1948年8月29日岩手県生まれ
39歳の時、事故で頚ずいを損傷。歩けない体になる。
49歳から円盤投げで挑戦を始める。
F53のクラスで円盤投げが廃止されることをきっかけに砲丸投げに転向し、
金メダルへの挑戦を続けている。
【円盤投げ】
2004年アテネパラリンピック出場 銀メダル
2008年北京パラリンピック出場 銅メダル
2012年ロンドンパラリンピック出場 10位
【砲丸投げ】
2016年リオパラリンピック出場 7位
大井須恵子(おおい・すえこ)
大井利江の妻。
40年以上前に大井と結婚し、左足に障害を持ちながらも公私にわたり
大井をサポートし続けている。
麥澤 栞奈(むぎさわ・かんな)
看護の勉強し始めて間もない大学1年生のころ、先輩からの紹介で大井と出会う。
以来、東京パラリンピックへ向けて週3回、大井のプール練習に付き添いサポートしている。4月からは青森市内の病院に就職する。