放送内容

ザ・偉人伝 昭和歌謡のヒットメーカー
遠藤実 安井かずみ 人生を変えた出会い!

『対照的な二人が歩んだ音楽人生とは?!』作曲家・遠藤実 作詞家・安井かずみ

 

貧乏のどん底から這い上がり、「からたち日記」,「ソーラン渡り鳥、「高校三年生」、「星影のワルツ」、「せんせい」、「くちなしの花」、「こまっちゃうナ」等、5000曲ものメロディを世に送り出した遠藤実。
若くして成功「赤い風船」、「草原の輝き」,「恋のしずく」、「経験」,「わたしの城下町」、「お祭りの夜」,「よろしく哀愁」,「危険な二人」、「折り鶴」, 都会に育ち「不思議なピーチパイ」等、4000曲もの歌詞を紡いだ安井かずみ。
タイプのまったく違う作曲家:遠藤実と作詞家:安井かずみ足跡を追いながら、名曲誕生のウラ側に迫ります。

 

 

●貧乏のどん底の中で(遠藤)――10歳の頃、第二次大戦の疎開のため東京から新潟へ。父の厳愛を受けながら育つが、父の仕事はうまくいかず、極貧生活を送る。歌手へ憧れるも、農作業に明け暮れる日々。17歳の時、家族に告げずに東京へ向かう。

 

●友達は一流のアート〈安井〉――恵まれた家庭に生まれた安井。体が弱く、外に出るだけで高熱が出るほど。友達と外で遊ぶことは少なく、家の中で音楽と絵描いて過ごすことが多かった。

 

●泥水をすするような日々(遠藤)――歌手になることを目指して上京後、借りたギターで流しで生計をたてる。歌手への道のりは険しく、食うや食わずの生活が続き、歌手への夢にピリオドを打つ。歌手になることをあきらめて作曲家の道を志す。1957年、ようやく努力が実を結び、「お月さん今晩わ」がヒット。新潟を飛び出して8年もの歳月が流れていた。そした遠藤の作曲した島倉千代子の「からたち日記」がヒット。

 

●運命を変えた邂逅(安井)――大学で美術を専攻し、画家を目指す。しかし、運命を変える出会いが・・・。「赤鼻のトナカイ」「可愛いベイビー」の訳詞で知られる漣健児の会社でのアルバイトが運命を変える。漣健児との出会いにより、エルヴィス・プレスリー「G.Iブルース」を訳詞。作詞の道へ進むことに。

 

●作曲家兼レコード会社社長(遠藤)――島倉千代子の「からたち日記」、舟木一夫の「高校3年生」など、快進撃を続ける。そんな中、恩人からの依頼でレコード会社設立に関わり、やがて社長に就任。新時代を担うレコード会社を経営し、「こまっちゃうナ」等ヒット曲を手掛けていく。

 

●女性の社会進出の一翼(安井)――類まれなセンスで訳詞、作詞ともに次々とヒットを飛ばし伊東ゆかりの「おしゃべりな真珠」で日本レコード大賞作詞賞を受賞。安井は26歳にして世間の注目を浴びる。芸能人、文化人の集う六本木のお店での交流、奔放な性格も注目を浴び、時代の寵児として人気を博す。

 

●門下生たちとの絆(遠藤)――舟木一夫、千昌夫、森昌子ら、数多くの門下生を輩出した遠藤。「星影のワルツ」「北国の春」(千昌夫)、「せんせい」(森昌子)など、皆、スターへと羽ばたく。そのレッスンは「厳しい」のひと言。門下生の証言で、遠藤の知られざる姿が浮かび上がる。

 

●女性の時代を開拓(安井)――作詞:安井作品 西城秀樹の「ちぎれた愛」、沢田研二の「危険なふたり」で初のチャート1位を獲得。男性作詞家が主流だった歌謡界で、現代ポップスの源流を築き、女性の社会進出が困難な時代において、光り輝く生涯を送った。

 

●音楽業界の発展に尽力(遠藤)――人生の師だった父と苦労人の母を相次いで亡くし、糟糠の妻にも先立たれた遠藤。悲しみの中に夢と光を見出し、歌を書き続けた。その温もりは音楽家にも注がれ、日本音楽作家協会を設立。長年の功績を称え、逝去後、国民栄誉賞を授与された。

 

貧しい少年時代を過ごし、夢を追い続けた遠藤実。多くの人々の心に残る歌を多く社会に贈りだした。
一方 安井かずみは、恵まれた家庭に育ち感性を磨き、男性社会の中で独特目線で昭和歌謡に新しい風を吹き込んだ。

 

〈インタビュー〉
千昌夫、小林幸子、こまどり姉妹、いではく、コシノジュンコ、浅田美代子、小柳ルミ子、大宅映子、遠藤由美子(遠藤実の養女)、他