番組表

放送内容

ザ・偉人伝 浜口庫之助 星野哲郎 人生を変えた出会いと歌

『激動の昭和を歌で潤した音楽人』  作曲家 浜口庫之助/作詞家 星野哲郎
多くのスター歌手に代表曲をもたらし、歌謡界を牽引した浜口庫之助と星野哲郎。ポップスと演歌・・・・畑違いに見える2人には、下積み時代を共に過ごした意外な接点、出会いががありました。
作曲家:浜口は「星のフラメンコ」「夜霧よ今夜も有難う」「夕陽が泣いている」「人生いろいろ」・・・・・
作詞家:星野は「アンコ椿は恋の花」「函館の女」「三百六十五歩のマーチ」「兄弟船」「風雪流れ旅」「たそがれの銀座」「みだれ髪」・・・・。
その時代の多くの大衆の心を魅了し潤した名曲の数々。その詞とメロディが人々を揺さぶるのは、なぜでしょうか?
戦争、貧困、病、下積み・・・・多くの荒波を乗り越えて数々の名曲を紡いだ浜口と星野。二人の歩みを辿るとともに、二人の人生を変えた出会いを探り、名曲誕生のウラ側に迫ります。

作曲家 浜口庫之助

作詞家 星野哲郎

 

●潰えた夢の欠片〈浜口〉――音楽を愛する一家に生まれ、5才で楽譜を読めるまでに。
浜口はジャズにのめり込むが、戦況の悪化から音楽活動を断念して実業界へ。
赴任先のインドネシアで終戦を迎え、収容所送りに。帰国を指折り数える日々の中、音楽への渇望が募る。

 
●闘病に苦しんだ青春(星野)――瀬戸内に浮かぶ島(山口県)に生まれた星野。船乗りになる夢を描き、商船学校に学んで遠洋漁業の乗組員になるが、腎臓結核に冒されて船を降りることに。絶望の中、詩や小説を書くことで心を慰めた。それが作詞家人生へつながる。

 
●紅白出場と転機(浜口)――帰国した浜口はラテンバンドを結成。3年連続で紅白歌合戦出場を果たすほどの成功を収める。ところが、自分の活動に疑問を抱き、「日本人として誇れる日本の歌を作りたい」と、すべてを投げ捨て作曲家へ。40歳の無謀に見える転身だった。

 
●新たな夢への切符(星野)――雑誌の懸賞に挑戦した星野は、作詞家・石本美由起に見出され「チャイナの波止場」でデビュー。その後、「浜っ子マドロス」「みなと踊り」が美空ひばりによってレコード化。33歳でコロムビアの専属作詞家に。遅咲きの再出発だった。

 
●異質の才能が出会う(浜口・星野)――30代の新人作詞家・星野と、40代の新人作曲家・浜口は、レコード会社の指示で無理矢理コンビを組むことに。育った音楽環境が全く違う二人。戸惑いながらも徐々に化学反応を起こし、「黄色いさくらんぼ」のヒットが生まれる。

 
●クラウン騒動と愛妻物語(星野)――「なみだ船」「アンコ椿は恋の花」で実績を重ねた星野は、コロムビアからクラウンに電撃移籍。だが移った作詞家は星野だけ。ほぼ全曲の詞を一人で任される試練が続いた。そんな星野を陰で支えた妻・朱實の献身と愛妻物語とは…。

 
●ハマクラ・メロディが完成(浜口)――「星のフラメンコ」「バラが咲いた」のヒットで認められると、石原裕次郎との出会いが「夜霧よ今夜も有難う」「粋な別れ」「恋の町札幌」などを生む。常に社会情勢を掴み、大衆のため、わかりやすい言葉で歌づくりをする、「ハマクラ・メロディ」が確立した。

 
●演歌より「援歌」「縁歌」(星野)――「昔の名前で出ています」「風雪ながれ旅」「兄弟船」「夫婦坂」と、レコード会社の垣根を越えて名曲を残し、女王・美空ひばりに「みだれ髪」を捧げた。星野は自らの作品を、人を励ます「援歌」や出会いを歌う「縁歌」と呼ぶことを好んだ。

 
●文字通り「人生いろいろ」(浜口)――華麗なる恋愛遍歴に終止符を打ち、女優・渚まゆみと結婚。57歳で愛娘が誕生し、子育てに目覚める。晩年にはがんが発覚。凄まじい闘病生活を経て、島倉千代子に「人生いろいろ」を贈るに至った境地とは…。