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#214

大きな窓を塞いでアトリエに!? 職住一体の画家の家

西武池袋線で都心からおよそ1時間、埼玉県の飯能市。
江戸時代から良質な木材の産地として知られ、江戸の町づくりや、大火の復興にも使われたそうです。また繊維業も栄え、街の中に点在する歴史的建造物が、かつての繁栄を今に伝えています。
今回はこの地に建つ築31年の2世帯住宅を購入し、リモデルされたYさん一家を訪ねます。
絵を描くことを生業としているご主人は、以前、住居とは離れた場所に制作スペースを借りていましたが、2拠点でのライフスタイルに不便を感じ、「アトリエのある住まい」という夢を叶えるため、リモデルを決意。1階と2階に分かれていた2世帯住宅を、1階をアトリエに、2階を住まいにリモデルしたのです。1階の隣り合った2つの玄関は1つにし、ゆとりのある玄関ホールに一新。また、収納スペースがあった屋根裏は、天井を取り払い、吹き抜けに。リモデル前は見えなかったアーチ状の小窓や古い梁が活かされ、モダンながらも味わいのある印象を与えています。
1階のアトリエ部分も天井を解体し、天井高およそ3mの大空間に。掃き出し窓があった南側は、ギャラリーのように画を掛けるため、窓をなくし真っ白な壁に変更しました。壁や剥き出しにした梁や躯体は、Yさん自身も設計チームと一緒にD I Yで白く塗装。思い出と夢が詰まったアトリエを実現することができたのです。
自然に囲まれた環境に身を置くようになり、絵を描く上でのインスピレーションを受けることも増えたというご主人。
広いアトリエの中をよちよち歩き回る長女は、お父さんの絵を描く姿を見ながらすくすくと育っているようです。
 
設計担当:出口雄介さん / TOKOROZAWA8
https://eightdesign.jp/8nakama/tokorozawa8/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after