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#208

窓を開いてウインドキャッチ 地球と家計に優しい新潟の家

日本海に面した政令指定都市、新潟市。信濃川と阿賀野川に挟まれた東区は、新潟県の空と海の玄関口として親しまれています。二つの川を結ぶ通船川は「川の街道」と呼ばれ、地域の工業を支えてきました。明治11年にイギリスの女性探検家、イザベラ・バードがこの地を旅したことでも知られています。
 
今回はそんな東区で築60年の一戸建てを購入し、リモデルされたHさんのお宅を訪ねます。自ら設計も手がけるHさんは、30歳までに自宅を持ちたいと、減築と増築を繰り返してきた木造住宅を格安で購入。家庭での1年間のエネルギー収支をゼロ以下にする「ゼロエネルギーハウス」を目指しリモデルしました。
「ゼロエネルギーハウス」のカギとなるのは、やはり“高断熱・高気密”であること。以前の家はほぼ断熱材が入って無かったため、家中を断熱材で包み込み、さらに玄関扉や全ての窓を高気密かつ断熱性能の高いものにすることで、年間を通して、エアコン1台で住まい全体が快適な温度になる全館空調を実現。また、吹き抜けや地窓を設置することで、より効率的に空気の循環を促進、快適でエコな住まいとなりました。
家の外にあるガレージ屋根にはソーラーパネルを設置。エネルギーを自給自足するアイデアがそこかしこに散りばめられています。これらのリモデルが評価されたH邸は2023年に性能向上リノベデザインアワードで優秀賞を受賞したのです。
生き物が大好きで将来は動物園を作りたいという5歳の息子さん。室内が快適だと飼っているカブトムシやハムスターも長生きするそうです。生き物と心地良く共存する住まいは、子どもの夢も育んでくれるんですね。
 
設計担当: 平田未来さん/株式会社まごころ本舗
https://www.magokorohonpo.jp

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after