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#206

お婿さんが惚れ込んだ ひとり娘の吉祥寺の家

「住みたい街ランキング」で毎年上位にランクインする武蔵野市、吉祥寺。
実は、この地に吉祥寺というお寺は存在しません。江戸時代、「明暦の大火」までは、江戸城の北側、今の水道橋駅の近くにありました。焼き出された付近の人々がこの地に移り住んだことで吉祥寺村と呼ばれるようになったそうです。
 
今回はこの地で、昭和初期に建てられた築93年の木造一戸建てをリモデルされたMさんご一家を訪ねます。
Mさんの奥様の祖父母から受け継いだ住まいを、現代的な開放感ある間取りにリモデル。温もり感じる空間で、子どもものびのびと暮らせる家に生まれ変わりました。
以前の天井を取り外すと匠の大工仕事が残る大空間が露わに。元の梁や野地板は木の状態が良く、立派な日本家屋をおもわせる、趣のあるテイストを演出しています。また、イサム・ノグチのペンダントライトなど海外のお気に入りを取り入れることで、和のテイストの中にもモダンな空間が生まれました。
 
寝室の建具には、以前の家で欄間に使われていたものを再利用。実はこの建具には、幼少期の奥様とお婆さまとの思い出が詰まっているんだとか。奥様がお婆さまと遊んだように、今度は母として息子と遊ぶことで、家を通して幸せな思い出がこれからも受け継がれていくのかもしれません。
共有の壁を挟んですぐ隣は、奥様のご両親が住んでいます。最近は用がなくても娘夫婦の家を訪れては孫がご飯を食べている姿を眺めているとのこと。毎日会える距離感で安心して子育てができる環境があるって、素敵なことですね。
 
設計担当: 宮田一彦さん/宮田一彦アトリエ
https://m-atelier.jp

【平面図】

before

after