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#205

マテリアルと斜めにこだわった引き算メイクのような家

東急田園都市線で渋谷から1駅。目黒川が横切る池尻大橋界隈は穏やかな空気が流れています。「旧大山道」沿いにある池尻稲荷神社には、かつて旅人の喉を潤したという「涸れずの井戸」が世田谷区の史跡として残され、その水は今も手や口を清める御手水として利用されています。
 
今回はこの街で築47年のマンションを購入し、新たな生活をスタートされたMさんご一家を訪ねます。典型的な3LDKの間取りを、“ナナメ”を取り入れた動きのある大胆な空間にリモデル。カラフルで材質の違うマテリアルの数々が子供たちの感性をくすぐる個性的な住まいに一新しました。
設計は、建築家で奥様の大学時代の同級生でもあるAさんとタッグを組むことに。子どもたちにとってもより良い住まいにするため、意見をぶつけ合いながらも斬新なアイデアを次々に実現していったそうです。
天井はMさんご夫妻とAさんご夫妻が力を合わせてDIYで塗装。元の素材を生かしつつ、デザイン性のある装いとなりました。
部屋全体を見渡すと、至る所にカラフルな色が散りばめられています。収納棚の断面や、エアコン隠しにもなっている格子状のカバーの側面、場所ごとに違う色で塗装が施されています。全面をカラフルに塗装するのではなく、部分的に色を加えることで、厚塗り感を出さずにポップな印象に仕上がりました。
天井の塗装をきっかけにAさんの奥様とも仲良くなったというMさんご夫妻。今では「自宅よりもこっちの方が居心地が良い」と月に一度は遊びに来るんだとか。友人との仲も深まり思い出も詰まったリモデルとなりました。
 
設計担当: 赤池一仁さん/ARED ARCHITECTS
http://aredarchitects.com

【平面図】

before

after