バックナンバー

#199

2.5次元ではなく2.5階建て 学生アパートだった札幌の家

北海道・札幌市のほぼ中央に位置する藻岩山(もいわやま)。山頂からは札幌の街並みや日本海の石狩湾などを望むことができます。昼間はもちろん、札幌の夜景を眺める場所として札幌市民に人気の場所です。
 
今回は、そんな藻岩山の麓に半世紀前に建てられた2階建て木造アパートを、1階を両親の住まい、2階を事務所と自宅にリモデルした建築家のT邸を訪ねます。
4世帯の学生用のアパートとして建てられましたが、実はある問題が・・・。元々あった外階段が天井や壁で覆われていた為、建ぺい率が建築基準法で定められた値を超えていました。そこで、まずは外階段を取り壊すことからスタート。そして、高さ制限に収まるよう屋上に小屋を増築しました。
 
増築された屋上には、バラバラな特徴を持った3つの部屋を設けました。四季の移ろいを感じられるよう3面をガラスで囲んだ「温室の間」―星座がはっきり見えるそうです。2つ目は、屋上テラスのような「夏の間」―夏はバーベキューをしたり、冬は積もった雪で「かまくら」を作ったり、アウトドアを楽しんでいるそうです。
3つ目は「冬の間」―断熱壁が多いので暖かく過ごせるそうです。
 
外観もとても個性的な住まいは、「まだまだ実験途中」と話すTさん。次のリモデルのアイデアが既に浮かんでいるようでした。
 
髙木貴間さん
髙木貴間建築設計事務所
https://yoshichikatakagi.com/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after

3F after