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#190

シェアハウスの倉庫を自宅に変えた 秘密基地のような家

フランスを彷彿させる街並みから、“リトル・パリ”とも呼ばれる神楽坂。
昔ながらの風情ある佇まいと近代的な目新しさが同居する、歩くと楽しい街です。
今回、この地に暮らす築40年4階建てのマンションを自らの手でシェアハウスにし、倉庫だったスペースを自宅にリモデルしたK邸を訪ねます。
シェアハウスの一室に暮らすKさんは、世界的に有名な建築家であるお父様のもとで働きながら建築に留まらず、近年、若者を中心に人気のシェアハウスの設計・管理など、コミュニティまでも生み出そうとする、今、注目の建築家です。
 
以前、倉庫として使われていた空間は車庫の奥にあるため光が届きにくく、暗く無機質な印象がありました。そこで、外からの光が入るよう、一般的な玄関扉ではなく、工場などで使われている丈夫な半透明の膜で仕切り、多用途に使えるエントランススペースを設けました。
元々、サンルームとして使われていた一繋がりのスペースは、スライド式の壁で仕切ることによってプライバシーと広さを両立した生活空間に。
サウナ好きが高じて、なんと裏庭にコンパクトなサウナをDIYで制作。自宅でも思う存分に趣味を堪能でき、ミニマムながら快適な住まいになりました。
コロナ禍を経て、より人間関係が希薄になっていく世の中を、“シェア”を通じて人と人とを繋げる。
若手建築家のアイデアから繰り広げられる今後の取り組みにもワクワクするリモデルでした。
 
設計担当: クマタイチ
TAILAND  https://tailand.jp 

【平面図】

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