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東京は神楽坂・納戸町。江戸時代から続く古い地名が多く、坂や路地に当時の面影を残している人気のエリアです。建築家と家具デザイナーのご夫妻は、ここで、路地に建つ築70年以上の2階建ての長屋をリモデルしました。
初めてこの家を見た時、奥様はあまりの古さに「絶対に住みたくない!」と思ったそうですが、建築家のご主人は、路地が持つ独特の雰囲気や木造の建物が密集している感じがとても気に入り、購入することに。ご自身でリノベーションして住み継ぐことを決めたのです。
参考にしたのは、戦後、住宅難の時代に「9坪ハウス」や「最小限ハウス」と呼ばれた実験的な家でした。
解体した時に隣家の気配が感じられたのが良かったので、路地と繋げた住まいを目指しました。
暗くてじめじめしていた部屋は、真ん中に、1階と2階を繋げた大きな空間を設け明るく風通しの良い住まいに。キッチンやトイレ、ワークスペースなどは壁に沿ってデザイン。2階は周り廊下を設け、寝室や浴室などを設けました。光を通すポリカーボネートなどの素材が活かされています。
狭小ながらも狭さを感じず、住み心地の良い空間が誕生しました。
改修前に、ご主人から送られてくる設計図が毎日変わっていくので、どうなってしまうのかーと心配だった奥様ですが、今は、この路地の魅力も含めて
リモデルして良かったと。路地には笑い声が聞こえていました。
設計担当:市江龍太郎 / ICE/ichie architects
http://www.ice-archi.com/