バックナンバー

#182

猫好き夫婦のために猫好きが設計した大きな窓の家

今回は、10年ほど前に大叔母さまから譲り受けた築57年の一戸建てを、会社員のご主人と韓国雑貨店を営む奥様のご夫婦が、保護猫などを含む4匹の猫たちの為にリモデルしたK邸を訪ねます。
建築面積およそ33平米の小さな住宅は、老築化が激しく、各部屋が細かく区切られていた為、料理をする場所もなく、洗濯機の上で食材を切っていたほど使い勝手が悪かったそうです。色々と住みづらさを感じていたKさんご夫婦が、猫たちと一緒に快適に暮らせる家にしたいと設計を依頼したのは、自身も大の猫好きな建築家でした。
京王・井の頭線で渋谷からおよそ10分、閑静な住宅街が広がる永福町。大宮八幡宮そばを流れる善福寺川沿いには和田堀公園が広がるなど、K邸の周辺は緑が多く、窓外には借景が広がっていましたので、建築家は、この借景を生かすため、複数の大きな窓を取り入れ、窓辺の猫台やキャットウオークなど、猫たちが歩いて寛げる仕掛けを様々な場所に設けました。また、床は内部にベタ基礎を新設して、土台、柱を金物で繋げ、耐震にも対応。空間を広くする為に、1階と2階を螺旋階段で繋げることで、暗かった1階にも光が届くように。壁や棚の色は、奥様の好きなパステルカラーに仕上げ、猫にも人にも、明るい快適な空間に生まれ変わりました。

設計担当:比護結子 / ikmo http://www5b.biglobe.ne.jp/~ikmo/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after