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#172

廃墟になりかけた生家をモダンに再生した名古屋の家

今回辰巳さんが訪ねたのは、名古屋駅からほど近い、築140年を超える古民家です。
近くを流れる「中川運河」は昭和初期から30年代までは物流の大動脈として、名古屋の近代化を支えたと言われています。現在の小学校の校歌にも(工業都市)という言葉があるほど、ピーク時には7万5千を超える船が往来していたそうです。そんな場所で、農業を営んでいた高祖父が建てた家をリモデルしたのは、建築家のOさんです。Oさんは奥様と3人のお子さんの5人家族。京都を基盤に活躍されていましたが、今回のリモデルを機に名古屋に移り住むことに。築141年の古民家を仕事場兼住居として、スタイリッシュにリモデルしました。

コンセプトはー「庭との繋がり」
幼い頃、休みの日や冠婚葬祭などに訪れていた古い家は、玄関から出入りするより、庭に面した居間から出入りしていた事が多かったそうです。お葬式も庭の木戸から棺を出していたそうです。庭での思いが多い家だったと。そこで、庭を建物の中に取り込み、一体化することを考えました。以前の縁側を一段下げて大きな窓を入れ、庭と連続するような土間廊下を作りました。庭が美しく見られるよう、昔の鴨居をフレームとして転用し、建具は閉めると見えなくなるよう設計しました。またリビングの床には石灰石を選び、温水式床暖房も入れて部屋全体を暖かく保っています。
大きな梁や木枠など伝統的な日本家屋の趣を残しつつ、洗練されたマテリアルで見事に再生したリモデルした。
 
設計担当:岡本一真 岡本一真建築設計室
http://okam.info

【平面図】

before

after