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#145

命をつないだハーブに包まれ 和カフェも営む蕨の家

今回訪ねるのは、日本一小さな市として知られる、埼玉県蕨市。都心へのアクセスもよくかつ物価も安いため外国人にも人気の街です。築57年のA邸。
Aさんが5歳から住んでいた家族との思い出が詰まった家でしたが
老朽化に加え、夏は暑く冬は寒い部屋、急勾配な階段は、持病をもつAさんにとって厳しい住居環境でした。建て替えも考えましたが、両親が想いを込めて建てた家と母が愛した庭を出来る限り残したいとリモデルすることに。設計は、「ますいいリビングカンパニー」の和順さんに依頼。耐震補強し、バリアフリーの暮らし易い家になりました。Aさん自身も材木に柿渋とミツロウを塗るなど、作業に参加しながらリモデルを進めたそうです。また、一番こだわったのは母が愛した庭を住まいに取り込むこと。庭が見えるよう大きな1枚ガラスの窓にし、明るい空間を作り出しました。
持病のためメディカールハーブを勉強していたAさんは、庭で育てたハーブで命を救われたと言います。そこで、庭を取り込んだ癒しの空間と命を救ってくれたハーブを使って、体に優しい料理で人をもてなすハーブティー専門のカフェも開きました。
床柱や船底天井、襖のガラスなど随所に家族との思い出を残しつつ、庭を取り込んだ新しい空間やカウンターキッチンなど新旧が混在するリモデルにAさんも大満足。カフェに訪れる人たちからも居心地のいい場所―と言ってくれることがAさんの元気の素になっているようです。

設計担当:ますいいリビングカンパニー http://www.masuii.co.jp/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after