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#140

山男に山女 ベースキャンプのような調布の家

今回訪ねるのは、緑豊かな住環境がありながら都心へのアクセスも良い東京都調布市にある、築40年のマンションの一室。施主のTさんご夫妻は2人暮らし。ご夫婦の共通の趣味は、山スキーや沢登りなど。ご主人は山登りに関する本を出版するなど本格的です。週末は山に行くことが多く、この場所を選んだのも高速のインターチェンジに近かったことが決め手になったそうです。以前はマンションに賃貸で住んでいましたが、靴やザック、その他たくさんの山道具を持っていたため、その収納スペースに困っていました。さらに湿気が多く、カビにも悩まされていたため、新居を探すことに。立地も良かったこの部屋ですが、さらに2人にとって魅力的だったのは35平米ものバルコニーがあったこと!天気が良い時には奥多摩も望めることから、リモデルを前提に購入しました。設計を依頼したのは、奥様の仕事を通じて知り合った一級建築士の山田優さん。自身も登山が趣味だったので、Tさん夫婦の要望に合ったプランで、趣味を楽しむためのベースキャンプのような家に生まれ変わりました。
元々2DKだった間取りは、寝室を含めてほぼワンルームに変更。部屋の中央に大きなガラス戸を作り、玄関入ってすぐの空間を「山スペース」、奥の空間を「生活スペース」に分けました。「山スペース」の床は汚れてもいいようにモルタル仕上げにし、山の靴を持ったままバルコニーに行けるようにしました。広いバルコニーではテントも干せるそうです。「生活スペース」はキッチンと寝室に。作り付けの家具を置くことで間仕切ることなく上手にゾーニングができました。趣味を思い切り楽しむTさん夫婦の個性が表れた大胆なリモデルになりました。
 
設計担当:SNARK
http://snark.cc/

【平面図】

before

after