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#114

吹き抜けの装飾壁が楽しい鉄骨3階建ての筑波の家

「西の富士、東の筑波」と称される筑波山の麓に広がる、茨城県つくば市。昭和41年、科学技術の振興を目的に研究学園都市に指定され、JAXAをはじめ、官民様々の研究施設が建てられました。近年ではつくばエクスプレスの開通により都心と45分で結ばれ、今後も発展が期待される街です。今回はつくば市にある築25年の3階建てをリモデルされたSさんご夫妻のお宅を訪ねます。
同じ大学で機械工学を専攻していたお二人は、結婚を機に奥様の職場のあるこの街で新たな住まいを探していたところ、内装業者の住居兼事務所だったこの家と出会いました。広いピロティと3階建てで眺めがよかった事、さらには柱が少ない鉄骨造りなので自由に間取りを変えられるのに魅力を感じ、リモデルを前提に購入しました。
鉄骨造りという構造が見事に生かされたS邸。以前は3つの部屋に分かれていた2階の壁は取り壊し、バルコニーだった場所も室内に取り込むことで、30帖のワンルームとしました。さらに天井を抜いて吹き抜けを設けたことで、2階にいながら3階の窓を通して空が見えるようになりました。
バルコニーがあった東側は隣家が迫っていたため、光が入りつつ視界を遮れる場所に窓を設置しました。その内側には新たに壁を設け、光を壁の間に閉じ込めて間接照明のような陰影を演出。外側の窓とつながる窓と壁の厚みを利用した収納棚を兼ねる装飾壁が、リビングを彩っています。
料理好きの奥様のために設けた大きなキッチンスペースは、壁向きから対面式に変更。幅の広いカウンターで食事もできるようにすることで、リビングにダイニングテーブルを置かずに済み、空間を広く使えるようにしています。
購入の決め手の一つだったピロティは、雨の日に外に出ずに車に乗れて助かっていると奥様。玄関の壁も斜めに切ったことで、スムーズに駐車できるようになりました。1階にあった事務所と倉庫は収納庫、また靴置きとしても活用することで、ゲストを迎える玄関をいつでもスッキリ見せらます。
リモデル後は、友人たちを招きよく一緒に食事をするようになったというSさんご夫妻。遊びに来た友人たちの楽しみは、天井から吊るされたブランコに揺られながら、装飾壁から見える空を見ることだそうです。
 
設計担当:Eureka
http://www.eurk.jp/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after

3F before

3F after