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#107

二軒の町家を一つにまとめた 金物店の七代目の家

今回訪ねたのは京都市中京区の堀川通。徳川家康が京都上洛時の宿として建てた二条城が、京の歴史の移り変わりを見守ってきました。この二条城を下がり、四条を東に入ったエリアは、かつて本能寺があった場所。本能寺の変の後、豊臣秀吉によって寺は移され、今では石碑のみが残されています。
この地域で金物屋を200年近く営むKさん。今回は、1864年「蛤御門の変」の戦火により焼失し、その後何度かの改修を経た築90年を超えた風格のある町家のリモデルです。元々、こちらは2軒に別れ、1軒は駄菓子屋さん、もう1軒は賃貸住居として使用。Kさん一家は、ご両親と一緒に隣の母屋で暮らしていました。しかし、以前の住人が引っ越したのをきっかけに2軒に別れていた町家を1つにして念願だった自宅にリモデル。念願の自然素材に囲まれた住まいを手に入れました。
いつも金物を扱っているので、自然素材に囲まれた住まいにしたかったというご主人。新たに設けた玄関は壁から天井まで米杉を貼り、木の香りが漂う玄関ホールを造りました。また、リビングとの間仕切りに設けた壁は、波形の曲線にすることで広がりを感じられる空間を演出。ここでも、壁には自然素材の天然石をあしらっています。料理好きな奥様の、会話をしながら料理がしたいという願いを叶えるため、キッチンは対面式に。将来、家族みんなで料理ができるようにと、横に広く使えるキッチンにして、コンロも横に3つ並んでいるタイプのものを選びました。
栄養士の資格をお持ちのご夫妻。週末にはご夫婦一緒にキッチンに立つそうです。料理に興味津々の長女も子ども用の包丁を使ってお手伝いをするようになりました。お子さんの成長と共に、Kさん一家の暮らしの楽しみもますます広がりそうです。

設計担当:富田建設・TOMIKEN一級建築士事務所
(http://www.tomiken.jp/)

【平面図】

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after