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#102

安藤忠雄の弟子が超低予算で仕上げたカジュアルな家

今回訪ねたのは、東京都北区。上野にも近く、学校や美術館、公園などに囲まれ緑多い住宅地です。施主は、建築家のSさんご夫婦。Sさんは実家の一部を母親と同居の2世帯住宅にリモデルしました。
両親と祖母、子どもの3人が暮らした築30年の木造住宅には、人数分の個室がありましたが、 父が亡くなり、子ども2人が独立すると、母と姉の2人暮らしになりました。その為使わなくなった一部の部屋は飼い猫の部屋になってしまっていました。
また、築年数の経過した家は管理も難しくなっていたので、お母さまは当初、建て替えを考えていました。

大学を卒業と同時に大阪の「安藤忠雄建築研究所」に就職したSさんは、大きなビルなどを手掛けた後、東京に戻ってきていました。その後、結婚し、マンション住まいに。
マンションの賃料などを考えると、実家に戻って同居することを母親に提案。お母さまも息子夫婦と一緒に暮らせることを快諾し、今回のリモデルとなったのです。
Sさんが考えたのは、今後の家族構成の変化を考えて、一気に費用をかけてフルリモデルするよりも、まずは同居のワン・ステップという事で、300万円のライトなリモデルを実現。
お父さまが拘って建てた家の材料など、使えるものはそのまま他のものに転用などし、極力、材料費を抑え、Sさんご夫婦での壁塗りなど、自分たちでできる事は自分たちでしました。玄関、キッチン、トイレやお風呂などがそれぞれ別の世帯に分かれているスタイルは、ひとつの壁を塞ぐことで可能になりました。2世帯住宅で費用の事などで、躊躇するより、今回の思い切ったリモデルで、「住む人が増えて、この家もまた生き返ったようです。」と笑顔で話すお母さまでした。
 
設計担当:酒井康介建築設計事務所
http://kosukesakai.com/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after