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#99

京町家をモダンにリモデル 坪庭四つの細長い家

京都の中京区。今回訪ねたのは、京都御所のそば。創業300年ほどのお茶の一保堂もある昔ながらのお店と、新しいお店が立ち並ぶ二条通りにあるN邸。
Nさんはご夫婦と2人のお子さんの4人家族。
子どもの受験を機に、和歌山から京都へ越してきました。
当初はマンション住まいでしたが、縁あって元おでん屋の物件に出会いリモデルすることに。
京都特有の間口が狭く、縦に細長い、いわゆる「うなぎの寝床」のような家で、薄暗い家でしたが、4つの坪庭があり、その風情が気に入ったNさんは、京都の趣を取り入れつつ、快適で暮らしやすい家に再生したのです。
建築家が考えたのは、「通り庭」の要素を入れること。入口から奥の庭へと続く細長い土間の要素を取り入れ、玄関から奥の寝室まで30メートルもの黒御影石でできた長い直線の廊下を作りました。これによって、京都の町家のような空間ができました。
また、リビングには庵治石(あじいし)を壁一面に使って、モダンな要素も取り入れました。
奥様のリクエストは、いつでも片づけ易いこと、すっきりすること。このリクエストに応えるべく建築家は、なんと!リビングの端に通る長い廊下に大きな収納室を作り、ここにキッチンを設けたのです。大きな引き戸の扉を開けると、そこには食器棚やシンクが!
閉めればいつでもスッキリした空間ができると奥様も大満足。合格祝いに飼ってもらった愛犬も思いっきり走り回って、楽しそうです。
京都の趣を楽しみつつ、快適な暮らしができる新しいスタイルの京都町家風リモデルでした。
 
設計担当:マニエラ建築設計事務所
http://www.maniera.co.jp/

【平面図】

1F before

1F after

2F before

2F after