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#21

古民家と蔵をつないだ美しい家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、都心から車で約2時間。埼玉県の緑豊かなのどかな田園地帯です。明治時代には養蚕業が盛んな土地でもありました。今回のリモデ ルは、その時代、この地域の養蚕業を発展させた曽祖父が残した築128年の蚕の研究所と大正時代に建てられた母屋を新に繋いで見事に再生した家です。この 土地で育ったKさんは、周辺の古い蔵が壊されるのを見ながら、先祖が残してくれた蔵を何とか残したいと思っていました。そこでインテリアデザイナーとして 培ったこれまでの経験を活かし大胆なリモデルを実現しました。
Kさん家族は11年前に1度リモデルをした母屋に住んでいましたが、暗いキッチンや2Fにあったお風呂などは使いづらく不便でした。全体的に構造的な補強 が必要だった為、柱や耐震壁を建てて補強し、以前は事務所も兼ねた土間敷きのガレージはヨーロッパの石造りの家をイメージしたダイニングキッチンに再生し ました。キッチンの床は、亜麻仁油にコルクなどを加えて作った抗菌性・耐久性に優れた自然素材です。夫婦の寝室は中央に畳を敷き、周辺のフローリングは竹 の集成材で仕上げました。竹は耐久性や抗菌性・脱臭効果もあります。畳は琉球畳の1/3ほどの費用でKさん自らが探しました。上質な素材と安価な素材を組 み合わせることで、コストダウンをしながら、上質なイメージを壊さずに見事にリモデルする事が出来ました。
築128年の蔵は屋根や壁が崩れかけていましたが、合板で内壁を建てて補強し、漆喰の壁を塗り直して再生しました。汚れがひどかった引き戸はほう酸で洗い、 見事に再生。床暖房を入れる為、25センチ程上げた床との間には照明を仕込み、竹のフローリングが白い空間に浮き上がっているように演出しました。
今回のリモデルで一番喜んでいるのは、同じ敷地内に住むKさんのご両親です。一番の親孝行が出来たと、うれしそうなKさんの笑顔がとても印象的でした。
 
ネオックスデザイン
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