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#372

旧三井家下鴨別邸 I II

豪商で財閥だった旧三井家の下鴨別邸は、下賀茂神社の南側に所在する。大正14年(1925)に、木屋町別邸の主屋(明治13年竣工)を移築し、あわせて玄関棟を増築し完成した。主屋は、三階に望楼をもつなど開放的なつくりで、簡素な意匠でまとめられている。近代京都で最初期に建設された主屋を中心として、大正期までに整えられた大規模別邸の屋敷構えが良好に保存されており、高い歴史的価値を有している。