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#305

ノートルダム清心女子大学 東棟

ノートルダム清心女子大学 東棟

「置かれた場所で咲きなさい」の著作で知られる故・シスター渡邉和子が理事長を務めていたノートルダム清心学園が所有する建物。本館は、鉄筋コンクリート造2階建で中庭を囲むロの字型。外観の特徴は、連続する庇により水平線を強調し、垂直方向を強調した柱と規則正しい縦方向の窓枠デザインであり、昭和初期のモダニズム建築として貴重である。東館は、鉄筋コンクリート造3階建。中心部に聖堂を配したつくり。聖堂部は天に近づくことを意識したデザインで、長方形の色ガラスの入った小窓を整然と並べ、鐘楼には丸柱を配し、幾何学的なデザイン要素がふんだんに取り入れられている。設計は、アントニン・レーモンド。チェコ出身で米国に渡り、フランク・ロイド・ライトの薫陶を受け、ライトと共に来日。44年間にわたって各地に近代建築を残した。