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SWITCH TV file.3 イッセー尾形

 

イッセー尾形は、一人芝居で、したたかな隣人の物語を生きる。テーマは多岐にわたるが一貫しているのは主人公ではなく傍らに生きる人々への眼差しだ。文豪シリーズで演じた宮沢賢治への思いを岩手を旅しながら深めていく。その艶やかな口演、一人芝居というストーリーテラーの魅力をドキュメントする。

 

 

生命はどこから来てどこに行ってしまうのか。たくさんの不思議が目の前にある。だからこそ詩人は手帳に「雨ニモマケズ」を書き残したのだろう。「雨ニモマケズ」と多くの人に理解されているようでも、不思議な理想の世界。その一端がわかるだろうか、感じるだろうか。イッセー尾形は、どう思うのだろうか。

 

37年の生涯で800余篇の詩、100話以上の童話・少年小説・短篇等〈散文〉を書いた宮沢賢治。「賢治の詩は難解で自分の体の中に入ってなかなか肉とならない」とイッセー尾形はいう。賢治はどんな風景を見ていたのだろう。

 

岩手を歩きながら、スケッチをしながら、朗読をしながらイッセー尾形は考える。そこには想像以上の美しい風景が広がっていた。賢治作品の「風の又三郎」、「銀河鉄道の夜」のモチーフになった種山ヶ原では、「SWITCH」編集長の新井敏記と焚き火を囲んで対談する。ほとんど自分を語らないできたイッセーの創作の秘密を問う。

 

また、イッセーが作ったジョバンニとカンパネルラの人形で物語る「銀河鉄道の夜」も初公開。宮沢賢治が夢見た世界とは、イッセー尾形が創る世界とは。美しい風景が二人を包んでいる。

 

出演者:イッセー尾形
企画・インタビュアー:新井敏記(「SWITCH」編集長)
語り:市川実日子
音楽:つのだたかし(リュート)