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SWITCH TV file.1 黒田征太郎

日本のグラフィックデザインの寵児となった黒田征太郎は、なぜ絵を描くのか。
なぜ、81歳になった今も描き続けているのか。
それを紐解くことは、「人はどう生きるのか」と私たちに語りかけています。
アトリエを訪ね、遠くカナダを旅しながら、黒田征太郎という孤高の人間を描いていきます。
編集長新井が、黒田の北九州・門司のアトリエを訪ねます。黒田はアトリエを引っ越す準備の最中。思いがけず黒田の50年前の作品に出会い、数千点の作品に囲まれた新井が、黒田の歴史を紐解いていきます。
また、3月のある日、港区西麻布のSWITICH・カフェ/レイニーデイで行われた、黒田征太郎とチェリスト溝口肇とのコラボレーション。今回、「SWTICH TV」の音楽を担当する溝口肇の低く美しく響くチェロの音色の中、黒田が即興で描いたものとは何だったのでしょうか。
さらに、昨年「coyote」の取材で、黒田が新井と旅したカナダニューファンドランド島。
荒涼とした風景の中で語り合った、焚き火の夜。大西洋を漂う氷山に出会い、圧倒されるほどの自然を描く黒田の姿。
他にアメリカの作家ジャック・ロンドンの短編小説『火を熾す』を黒田が描いた絵で構成する動画作品など。
一時間の中に散りばめられた、生きることは描くことという黒田征太郎の姿。新井が導き出す黒田の言葉。
まるで雑誌「SWITCH」のように、静かに深く心に残る、新しいドキュメンタリーです。