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#211

駐日ジョージア大使が語る「ウクライナへの連帯」

かつてグルジアと呼ばれた黒海沿岸の国ジョージアは、2008年、ロシアと戦火を交え、国土の20%を占拠されました。2022年3月20日の『BS朝日 日曜スクープ』は、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使のインタビューを放送。レジャバ大使は、徹底抗戦を続けるウクライナについて「その気持ちは自由や民主主義を尊重する人にとっては皆わかることなんじゃないですか。ここでウクライナが諦めたら日本も困りませんか」と指摘した。そして、ウクライナへの「連帯」の重要性を強調、支援を訴えました。

 
ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使のインタビューは動画公開しています。
テレ朝news
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■ロシアによる侵攻「歴史は繰り返された」

レジャバ大使

日本語で「百聞は一見に如かず」、そういう言葉を皆ご存じだと思いますけど、我々は直接それを経験しておりますから。

ロシアと闘ったジョージア人だからこそわかる、ロシアのやり方とは…。ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使は、日本語で取材に応えました。

2008年8月、独立を求める南オセチア自治州を巡り、軍事介入してきたロシアと戦闘になったジョージア。「ロシア・グルジア戦争」と呼ばれた闘いです。1991年のソビエト連邦の崩壊により独立したジョージア。現在、NATO加盟を目指すなど、ウクライナと立場が重なります。

そのジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使は、今回のウクライナ情勢をどう見つめていたのでしょうか?

レジャバ大使

ウクライナに侵略する直前に、ドンバス地域の2つの(「人民共和国」の)独立を発表する前後でですね、一旦退避したと、部隊が帰っていくと、そんな報道、ロシア側からも発表があって、国際社会では、これで帰るのかと、そういう雰囲気が少し出たんですけど、専門家とか我々からしてみたら、そんな一筋縄では行かない、そんな甘い話じゃない。と言うのは、我々も経験していたところから、やっぱり心配はずっとありまして、案の定、ロシアは侵略を実施した。また歴史が繰り返されたのか、というのがありました。

■停戦後も続くロシアの脅威

ロシアとの戦闘は5日間で停止。ジョージア軍は南オセチア自治州における戦闘前の境界まで戻るなど6項目の和平案で合意。その後、ロシアは南オセチア自治州、さらに同じくジョージアからの独立を求めていたアブハジア自治共和国を国家として承認したのです。

ロシアとの停戦後、ジョージアで今も起こっていること、大使はウクライナへの警告も込めて指摘します。

レジャバ大使

非常に心配しているのがロシア側が設定した、いわゆる国境ですね。首都のトリビシから30キロくらいの近いところで、その国境がどういう呼ばれ方をされているか、というと、「這う境界」。

要するに、這うとは赤ちゃんが這うこと、這いつくばる、動いてくるんですよ。だから、どんどん向こう側が拡大しようと、より侵略を毎日のように広げてくるんですね。

Qジリジリと迫ってくる?

レジャバ大使

ジリジリと迫ってくる。

停戦協議で決めた境界線を、ロシアが赤ちゃんが這うように少しずつ広げている、と主張するレジャバ大使。さらに、南オセチア、アブハジアとの境界付近では、ジョージア人に危険が及んでいる、と指摘します。

レジャバ大使

誘拐が未だに発生したりとか、ありますから、やっぱり非常に我々の目線、からだけではなくて国際的に、非常にこれは人道的に許しがたい行いが現実、起きている、ということあります。

さらに言いますと、これが最も大事かもしれません。現地に対して、ロシア側が軍隊を常駐させているんですね。停戦後も拡大するロシアの影響、それは軍事的な部分だけではない、と大使は指摘します。

レジャバ大使

今、非常にやっぱり、領土の20%が占領されている。となると、非常に経済活動もままにできない。あとは非常に苦しいのが現地で、非常に現地にアクセスしづらくなっているんです。ジョージア側からもそうですし、世界からのアクセス、情報とか物が現地に対して行かないように、行かなくなっていると。ロシア側は、向こうでの教育から、ジョージアの言葉を排除しようとしたりとか。

■“ロシアと戦った国“から日本への訴え

先月24日、アメリカ、イギリスやジョージアなど14カ国の駐日大使らが集まり、一斉にウクライナの国旗を掲げました。ウクライナを支持し連帯の意志を示したのです。ロシアが侵攻する直前のことでした。

ロシアという共通の相手と戦った経験を持つジョージア。今、ウクライナの人々が諦めずに戦う気持ちを大使はどう見ているのでしょうか。

レジャバ大使

その気持ちというのは自由・民主主義・法を尊重する人にとっては、皆わかることなんじゃないですか。ここでウクライナが諦めたら日本も困りませんか。こんな手段がアリということを認めたことになるんですよ。

だから諦めるのは本当にここは倫理的にも合理的にも叶っていないですし、その後の、降伏してしまった後の人権の在り方、ただでさえ国境がしっかり定められているのに侵略に踏み切るわけですから、そこが降伏ということが出てしまったら、その後、何がどう起きるか。現実的な意味で、ウクライナの人たちはその道はないと思っているはずです。

(2022年3月20日放送)

ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使のインタビューは動画公開しています。
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