放送内容

そこにあるもの。 ~繋ぐ。送る。生きる。文化といのち~
#06 青森 八戸えんぶり

大地を揺さぶり、冷たい雪を溶かして春を呼ぶ。
八戸の「えんぶり」です。
 
毎年2月に行われるこの祭り、込められているのは豊作への祈り。
かつて過酷な大飢饉にあえいだ東北のこの地域。豊作を願う人々の切実な思いを宿すものであり、あらかじめ前祝いをすることで実際の豊作を引き寄せたいという「予祝」の芸能です。
色鮮やかな烏帽子(えぼし)を被った太夫が、摺り(すり)と呼ばれるその舞で、土をならし、稲を植え、刈り取るまでの農作業を表現します。
 
今回は、このお祭りに参加する八戸市内33組のえんぶり組のうち、内丸えんぶり組を取材。
子どもからベテランまで約50名を率いるのは3人の親方たち。祭り全体の成功と若い世代への継承を考え、組をまとめています。馬の頭をかたどった烏帽子は田の神の依り代であり、とても神聖なもの。その太夫の役を担う人々の様々な思いも紹介します。
 
地域をひとつにする2月の4日間。
八戸に生きる人々が大切に受け継いできた魂の祭りです。