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#20.21

終戦スペシャル 71年目の真実 空襲で失われた天守

創建当時の姿を今に残す、現存12天守。しかし昭和20年までは、国内に18の現存天守があった。6つの貴重な天守はアメリカ軍の空襲を受けて焼失。名古屋城、大垣城、和歌山城、岡山城、福山城、そして広島城。焼失したそのどれもが、長い間、地元の人たちに大切にされ、誇りでもあった。もちろん天守は荘厳にして華麗。しかも守り堅固な要塞(ようさい)ではあったが、それは人と人が戦う場合。上空から降ってくる爆弾の前に、城はひとたまりもなかった。しかも広島城においては、原爆の威力で一瞬にしてなぎ倒された。
だが、そんな中で奇跡も起こった。残された1枚の写真には、焦土と化した街並みの向こうに天守が見える。姫路城は、天守にB29が落とした焼夷(しょうい)弾の直撃を受けながらも不発。決死の覚悟の職員たちが爆弾を城外に運び出したことで炎上を免れた。今、白い輝きで私たちを魅了する姫路城、その奇跡の物語…。
戦後になって市民たちの願いが叶い、焼失した天守は全て再建されている。地元の誇りであり心のより所である、天守と地元の人たちとの深い絆の物語を求め、城案内人の篠井英介と大谷亮介が、空襲で失われた天守と城下町を訪ねる。空襲を体験して、実際に失われてしまった天守の姿を見た歴史の証人にも話を聞いた。