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#17

漆黒の戦う砦 岡山城 波瀾万丈!戦国武将の城

漆黒の天守で知られる岡山城。別名は烏城。岡山市を流れる旭川の畔に建つ姿は、まさに黒い羽を広げて飛び立とうとする鳥のようです。
そんな黒い天守を彩るのは鮮やかな金色。鯱、鬼瓦、そして破風の周囲の軒瓦。黒と金の見事なコントラストは息を飲むほどの美しさ。秀吉の大坂城、そして信長の幻の城・安土城の流れを汲むとも言われている名城です。
また、日本三名園の挙げられるのが岡山城の庭園である後楽園。
ここから眺める岡山城の天守もまた絶景です。

そのいっぽうで、岡山城は徹頭徹尾、戦いのための砦。
築城したのは豊臣秀吉が後見人となった歴戦の武将、宇喜多秀家。
秀吉に目を掛けられただけあって、秀家の作った城には、用意周到な仕掛けが施されていました。敵対陣営に向かった西側は、堀と高い石垣に守られて敵の侵入を許しませんでしたが、反対側の東側には、天然の堀とした旭川以外にこれと言った防御システムが作られていません。
ここに隠される秘密こそが、宇喜多家の必勝の武士道の神髄だったのです。

そして裏切りが続出した関ヶ原では、敗れた西軍で獅子奮迅の活躍を見せた宇喜多秀家。結局は領地も城も奪われて八丈島に島流し、そのあと岡山城の城主におさまったのは、皮肉なことに、裏切り者の小早川秀秋でした。

城も城主も、まさに波瀾万丈の生涯。

今回は、そんな岡山城を城案内人の大谷亮介が攻めます。