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#99

熱中ゲスト:ミュージシャン 小室 等さん

ミュージシャン 小室 等さん

日本フォーク界の草分け的存在の小室等さんをゲストに招く。
フォークグループ六文銭のリーダーとして活躍。1971年に上條恒彦をメインボーカルに迎えた「出発の歌」で第二回世界歌謡際グランプリを受賞。数々の名曲を残す。一方で
現役ミュージシャンだけで設立したレコード会社、フォーライフレコードの初代社長も務めた。その当時の思いに鴻上が斬り込む。
そして今回特別にスタジオで名曲「だれかが風の中で」を熱唱。
小室等さんの音楽にかける情熱と名曲秘話に迫る。

下町生まれ ミッションスクールで合唱部に

東京荒川区で電気工事店を営んでいた父親と音楽が好きな母親のもとで育つ。そんな小室さんの音楽との初めての出会いは、終戦後にアメリカから渡ってきた映画の音楽によるものだった。「荒野の決闘」は今も頭の片隅に記憶されているという。ミッション系の中高一貫校に通っていた小室さんは、高校でひょんなことから合唱部に入部。その意外な出来事とは…。この頃、キングストン・トリオのハーモニーの素晴らしさに魅了され、合唱部のメンバーでコピーを始める。大学は多摩美術大学の彫刻科に進む。音楽の熱は一層熱くなっていく。今度は、ピーターポール&マリーのコピーグループ、PPMフォロワーズを結成する。
今回、スタジオで学生の頃に夢中になったピーターポール&マリーの「♪パフ」を披露。その歌声に進藤、鴻上もうっとり。小室さんの音楽にかける情熱の原点が明らかに。

六文銭結成 フォークソングとの出会い

激動の時代と言われた、1968年にフォークグループ六文銭を結成。別役実や唐十郎などの演出家の舞台音楽を手掛ける。実はこの六文銭の活動前夜にはある一つの映画が関係していた。それは大島渚監督の「日本春歌考」である。劇中の歌の収録に臨んだ小室さんだが、完成版での使われ方は屈辱ともいえるものだった。これを機に「質の高い日本語のフォークをやろう」と決意を新たにし六文銭を結成した。1970年代に入り、六文銭は、日本初の伝説の野外フェス、全日本フォークジャンボリーにも出演を果たす。さらに、上条恒彦さんをメインボーカルに迎えて発表した「出発の歌」は第2回世界歌謡祭でグランプリを受賞。テレビドラマ「木枯し紋次郎」の主題歌「だれかが風の中で」も手掛け、立て続けにヒット曲を世に送り出していく。スタジオでは名曲「だれかが風の中で」を披露。思わずスタジオ全体が熱い雰囲気に…。

現役ミュージシャンだけで “フォーライフレコード”設立

1975年、現役ミュージシャンだけでレコード会社を立ち上げる。その名も“フォーライフレコード”。メンバーは、小室等、吉田拓郎、井上陽水、泉谷しげるの4人。大手レコード会社の強い権限に真っ向から反発するものとして、大きな社会的反響を呼んだ。小室さんは31歳の若さで初代社長に就任。その当時の思いをスタジオで語った。その後はミュージシャンとして谷川俊太郎さんの詩に曲をつけた意欲作を発表。同時にラジオのパーソナリティーとしても頭角を現していく。ドキュメンタリー映像のナレーションの仕事にも挑戦するなど音楽だけではない様々なフィールドへ活躍の場を広げていった。

40年来の友人 谷川俊太郎さんが語る

今回、40年以上の交友関係があるという、詩人の谷川俊太郎さんに小室さんとのエピソードを聞いた。初めて2人が会った時の様子を昨日のことのように語る、谷川さん。小室さんの第一印象は人柄よりもその音楽が強烈だったと話す。実は、この出会いは、小室さんのある行動がきっかけになっていた。その出来事とは…。さらに、小室さんの印象が若い頃とは全然違っているという谷川さん。どのように変化してきているのか?さらに長年続く交友関係には、ある理由があるのではと語る谷川さん。その理由とは…?一方で小室さんのある部分が自分よりえらいと語った谷川さん。その言葉に思わずスタジオでも笑いがこぼれた。

最新レコーディングに密着

現在、谷川俊太郎さんの詩に曲をつけた作品を制作中の小室さん。2016年年末の都内のレコーディングスタジオには、小室さんと、谷川さんの長男でジャズピアニストの谷川賢作さんの姿があった。賢作さんと小室さんはこれまでも谷川さんの詩を通してコラボレーションを行ってきた。谷川さんの詩を通して生まれた2人の音楽に進藤、鴻上も思わず引き込まれる。

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小室等(こむろひとし)さん
‘68年グループ「六文銭」を結成。
‘71年第2回世界歌謡祭にて「出発の歌」(上條恒彦+六文銭)でグランプリを獲得。
‘75年泉谷しげる、井上陽水、吉田拓郎と「フォーライフレコード」を設立。
現在は自身のライブ・コンサートを中心に、様々なジャンルのミュージシャンとのコラボレーションやイベントプロデュースも多数。また娘であるこむろゆい(vo,ukulele)との「Lagniappe」、「六文銭’09」など、ユニットでの活動の他、テレビドラマ(NHK金曜時代劇「蝉しぐれ」、TBS「高原へいらっしゃい」、他)、映画(「沖縄うりずんの雨」(ジャン・ユンカーマン監督/シグロ制作/2015年)、「戦場ぬ止み」(三上智恵監督/ドキュメンタリージャパン制作/2015年)、「坑道の記憶~炭坑絵師・山本作兵衛」(RKB毎日放送制作/2013年)、「ナージャの村」(本橋成一監督/サスナフィルム/1997年、他)、舞台(状況劇場「少女仮面」、演劇企画66「スパイ物語」、他)などの音楽制作や、ドキュメンタリー作品のナレーションなど、その活動は多岐にわたる。