過去のゲスト

#79

迫田さおり

今回のゲストは、元バレーボール全日本の迫田さおりさんです。強く、美しいバックアタックを武器に、2010年に日本代表に初選出。12年のロンドン五輪では、日本女子28年ぶりのメダル獲得に大きく貢献しました。約2年前に惜しまれながら現役を引退。第二の人生を歩み始めた31歳です。

高校時代は、強豪レベルではない高校で「バレーを楽しんでいた」というさおりさん。高3時の国体でのプレーがスカウトの目に留まり、Vリーグのチームに入団しますが、当然、そこは厳しい世界。「すごい場所に来てしまった」と大きな戸惑いを覚えたそうです。社会人1年目の大ピンチ。彼女は、それをどう乗り越えたのでしょうか。

やがて才能は開花。全日本に欠かさせない存在となりましたが、日の丸のプレッシャーは想像以上のものでした。「絶対にマイナスなことを発言してはいけない。でも、本当はすごく怖くて、逃げ出したいくらい」。インタビューでも「嘘の自分を演じる」など複雑な心境の日々が続きましたが、怖さが希望に変わった瞬間がありました。それは「自分らしさ」と向き合ったことだったと言います。

現在は、バレーボールの指導や解説のほか、タレント業にも進出するなど、幅広く活躍中。将来、やりたいことについては「決めつけなくてもいい」と考えているそうです。流れに身を任せ、楽しいことを探しながら、いろいろなことにチャレンジする。「そうすれば、現役時代のような気持ちになるのかな」。さおりさんらしい、自然体の美学が紐解かれます。

Yuki Suenaga/Number