過去のゲスト

#24

山田恵理(女子ソフトボール日本代表 主将)

今回のゲストは、ソフトボール選手の山田恵里さんです。卓越したバッティング技術から、付いた呼び名は「ソフトボール界のイチロー」。日本リーグの打撃記録を次々と塗り替え、2008年の北京オリンピックでは、そのバットで日本を初の金メダルに導きました。

 あの歓喜から10年。34歳となった今も、山田さんは日本代表の大黒柱として活躍しています。しかし、一時は競技に対するモチベーションを失ったこともありました。それは、北京を最後に、ソフトボールが五輪の正式競技から除外されたことが原因でした。金メダルという最大の目標を達成したこともあり、引退していく仲間たちも少なくありませんでした。

 それでも、山田さんが現役を続けた理由。それは、周囲を見渡した時、あることに気付いたから。「たくさんの方に支えられて、今の自分がいる」。以降、山田さんは自分をサポートしてくれた全ての人たちへの「ある想い」を表現するため、ソフトボールを続けていると言います。

 また、その集大成になるであろう2020年の東京五輪には、ある運命も重なりました。東京五輪が開幕する7月24日は、4年前に急逝した父・良彦さんの命日、聖火リレーが始まる3月26日は、良彦さんの誕生日なのです。「頑張れって言われている気がする」。空の上の父まで届く快音を響かせるため、今日も山田さんはバットを振り続けます。

Shiro Miyake/Number