BS朝日

 
【出演】高橋英樹、愛川欽也、森本レオ、山村紅葉、井川晃一、渡辺梓、津嘉山正種、田山涼成、前田淳、中原丈雄、立原麻衣
 
警視庁捜査一課の西本刑事（森本レオ）は、所用で高松行きの夜行寝台特急『サンライズ瀬戸』に乗った。列車は夜の10時に東京駅を発車、西本は通路でサングラスの女性（渡辺梓）の写真をとっている男を見かける。写真を撮っていたのは東京の出版社のカメラマン・木下（前田淳）で、永井みゆきと名乗るサングラスの女性とは東京駅で列車に乗り込む直前に知り合ったものだった。翌朝7時過ぎ、列車は終着駅の高松に着いた。そしてその直後、ホームで女性の絞殺体が発見される。所持していた免許証から、東京在住の永井みゆき（立原麻衣）と判明、みゆきは西本が乗ってきた『サンライズ瀬戸』の個室の切符を持っていた。
西本は出発時に見かけた、写真の被写体となっていた女性だと思い込むが、木下は、確かにその女性は東京でコンパニオン会社を経営する“永井みゆき”と名乗ったが、自分が写していたのはこの女性ではないと言うのだ。うそだと思うのなら、自分が撮影したフィルムを現像してみろと木下は言う。そんな中、木下の乗車していた個室から永井みゆきの名刺が発見される。裏には彼女の個室の鍵の暗証番号が書かれてあった。さらに、木下のフィルムを現像した結果、写っていたのはホームで殺された“永井みゆき”だったのだ。地元警察は、木下とみゆきの間で何らかのトラブルがあり、木下が彼女を殺したと判断するが確証が得られない。西本は、東京の十津川警部（高橋英樹）や亀井刑事（愛川欽也）に連絡するが…。大好評、トラベルミステリーの第41弾。今回の舞台は、東京発高松行最新寝台特急“サンライズエクスプレス”。瀬戸大橋、屋島をバックに十津川、亀井が真犯人と対決する！

 
【出演】高橋英樹、愛川欽也、森本レオ、井川晃一、山村紅葉、平泉成、中島ひろ子、小木茂光、池内万作、松谷由紀子、石田太郎、中原丈雄、新井康弘
 
警視庁の亀井刑事（愛川欽也）は、犯人護送のため極寒の地、北海道の稚内へとやって来た。そして無事任務を終えた帰途、亀井は南稚内駅の待合室で、ノートパソコンに何やら熱心に打ち込んでいる初老の旅行客（石田太郎）を見かけ、気軽に声を掛ける。だが男は、亀井を無視して答えようとはしない。
そんな中、旭川行きの『スーパー宗谷2号』が入線し、亀井は列車に乗り込んだ。
やがて、列車が美深駅の手前に差し掛ったころ、最前の男が、ふらふらと亀井の前に現れ、一枚のフロッピーディスクを差し出すや、その場に崩れるように倒れてしまったのだ。周囲が騒然となる中、亀井は、サングラス姿の女が凝視しているのに気づく。だが、女は声を掛ける間もなく、到着した美深駅のホームに降り、そのまま去っていってしまったのだった。
男はすぐさま病院に運ばれたが、すでに絶命していた。免許証から、男の身元が割れた。東京に住む平野康生という人物だった。病院側の調べで、平野は青酸性の毒物による中毒死と判明した。
この事件の捜査本部は名寄中央署に置かれることになり、亀井も事情説明のため署に赴いた。中央署の佐々木刑事（中原丈雄）が、亀井から渡されたフロッピーを開いたところ、画面上に『宗谷本線殺人事件についての疑問平野康生』の文字が現れた。佐々木によると、それは2年前に起こった事件で自分が担当したという。
2年前の12月、深夜3時ごろに音威子府駅に停車中の下り特急『利尻』から雪のホームに飛び降りた中山裕子（松谷由紀子）という女性が、あとから追ってきた婚約者の高田健（池内万作）に背中を刺されて死亡した。高田はそのまま列車に乗って逃走をはかったが、たまたま奥さんをを迎えるため駅に来ていた男性が事件を目撃し、警察に通報したため、高田は次の駅で乗り込んだ警察官に逮捕されたというものだった。高田は裁判で無罪を主張し、凶器のナイフも見つからなかったが、同じ車内に乗り合わせた乗客が、二人は激しく口論をしていたという証言もあって、10年の実刑判決を受け、今は網走刑務所に服役中だという。
佐々木から事情を聞いているうちに、亀井は、自分もこの事件に関わりがあったことを思い出していた。殺された裕子と高田はともに、東京の中堅商社『小川物産』に勤務していたことから、警視庁に身元照会があり、それを亀井が担当したのだ。当時、亀井が二人の上司にあたる管理部長の小川（小木茂光）から事情聴取をしたところ、高田は3ヵ月ほど前に酔った挙げ句に喧嘩をして新聞沙汰になり、クビになったというのだ。佐々木によると、その後、高田は友人と会社を始めたがうまくゆかず、恋人の裕子に2千万円の借金を申し込んだという。裕子の実家は南稚内の旅館で、彼女は両親に金を借りようとしたが果たせず、帰路の車内でそのことに関し、口論になったらしい。
平野のフロッピーには、この事件を自ら調べた経過が記されていた。それによると、彼は、何か事件の決定的なヒントを掴み、それを確かめるべく事件の唯一の目撃者である青木均という男性を訪ねようとしていたらしい。佐々木の話では、青木は事件当時、音威子府駅構内で立ち食いそば屋を開いていたが、今は名寄で喫茶店を経営しているという。
やがて、亀井のもとに、平野の身元調査を依頼した東京の十津川警部（高橋英樹）から電話が入った。平野は島根県松江の高校の教師だったのだが、1年前に突然学校を辞めて上京したというのだ。彼が勤めていたのは、高田の母校だった。どうやら高田は平野の教え子で、彼の無実を信じた平野は独自に調査を始めたところを何者かに殺されたらしい。
亀井は、この事件の行方を見届けたかったが、管轄が北海道ではそうもいかず、後ろ髪を引かれる思いで帰京した。そんな亀井を待っていたかのように殺人事件が発生した。深夜の公園で、荒井（新井康弘）という私立探偵の刺殺体が発見されたのだ。そして荒井の背広のポケットから出てきた写真を見て、亀井は思わず声を上げる。そこに写っていたのは、美深で見かけたサングラスの女だったのだ。

 
【出演】高橋英樹、愛川欽也、森本レオ、山村紅葉、佐藤正浩、二木てるみ、石橋保、岩本千春、萩尾みどり、長山洋子、石橋保、岩本千春、牛尾田恭代
 
青森・五所川原、雪の山道を北川ゆきが車を走らせていた。ゆきは五所川原の民謡酒場の津軽三味線歌手。突然銃声が数発こだまし、雪崩がゆきの車を襲った。2年後の東京―つつじヶ丘駅。近くの公園。帰宅途中のサラリーマン・三田が何者かに襲われて鉄棒で殴り殺された。十津川班が捜査を開始した。財布、携帯は盗まれていない。怨恨と思われた。聞き込みの結果、現場で津軽三味線の音がしていたらしい。第二の殺人事件が起こった。板橋の駐車場でOLの沢田操が同じ手口で殺された。やはり現場に津軽三味線の音が聞こえたという。3人目の犠牲者は建築デザイナー・小川。お台場公園で刺殺されていた。やはり現場でアベックの男女が三味線の音と女の唄声も聴いていた。亀井の妻・公子が津軽三味線を習っていた。三味線の師匠・坂口美代がアベックが聴いた唄は即興の「口説き」だと解説した。三人の被害者は共通点、接点は考えられずその唄声“おととしの春～”が事件を解くカギと思われた。数日後、洗足の同じマンションに住む森崎はるかと中本亜木子が十津川を訪ねてきた。前夜二人は帰宅途中、洗足の暗がりで津軽三味線を聞き亜木子が「今度は私の番だわ」と怯えた。亜木子に恨まれる心当たりはないという。十津川は亜木子に尾行をつけた。しかし尾行をまいた亜木子の死体が発見された。十津川と亀井は津軽三味線の謎を追って雪の青森へ飛んだ。

 
【出演】高橋英樹、愛川欽也、森本レオ、小野寺昭、高橋ひとみ、児島みゆき、朝比奈順子、エド山口、山村紅葉、平泉成、井川晃一、茂賢治、佐藤正浩、松井由香
 
東京・荒川の河原で中年女性のバラバラ死体が発見された。頭部だけは発見されず、指紋も該当者はなく身元が分からない。死体の胃の中の内容物から、被害者は殺される数時間前に、山形地方の駅弁を食べていたらしいと推測された。
パソコン検索の結果、5ヶ月ほど前に山形県の蔵王で、同様のバラバラ死体が発見されて、未解決になっていることが判明する。被害者はともに40代の女性で、手口が酷似していることから、同一犯によるものと断定された。
警視庁捜査一課の亀井刑事（愛川欽也）は、十津川警部（高橋英樹）とともに、山形に向かう。
被害者の様々な特徴から水商売の女ではないかと推測した二人は、温泉地に絞って捜査を開始する。やがて、赤湯温泉に該当者らしき女性がいるとの情報を得る。それは津田加奈子（朝比奈順子）というスナックのママで、客に勧められるまま、東京で店を開くといって、スナックを売り払い上京したという。彼女に東京行きを勧めたのは、40代の紳士で、酒席での会話から医者ではないかと目撃者はいうのだ。指紋を照合した結果、荒川の被害者は加奈子だと判明する。
帰京した十津川と亀井は、バラバラ事件の現場付近にジャガーが停まっていたという目撃証言があったことを知る。そしてその結果、黒田三郎（小野寺昭）という外科医が容疑者として浮かんだ。だが、黒田の兄は弁護士、妹の真紀（高橋ひとみ）は、東京地検の検事ということで、捜査を進めるうちにこの兄妹から抗議を受ける。
しかし、十津川と亀井は、黒田の犯行だと確信し、抗議にもひるまず捜査を進めていく。黒田には離婚歴があり、元妻の証言では、彼は半年ほど前に病死した母親に、何か複雑な愛憎を抱いていたというのだ。
十津川から事情聴取を受けた黒田は、赤湯温泉で加奈子と会ったことは認めた。だが、彼女には誰か好きな男がいたようで、東京行きは、その男に会うためだったらしいと言うのだ。
やがて、加奈子は東京で黒田ではない男とホテルに泊まっていたことが判明する。ところがその男・外車ディーラーの早見浩（本村健太郎）は黒田の大学の後輩だったのだ。警察は早見から事情を聞こうとするが、すでに姿を消していた。
そして数日後、早見が自宅マンションの浴室で死んでいるのが発見されるが…。

 
【出演】高橋英樹、愛川欽也、森本レオ、山村紅葉、井川晃一、矢島健一、長谷川初範、金久美子、有坂来瞳、岡元夕紀子、大森博　ほか
 
警視庁捜査一課の亀井刑事（愛川欽也）は、三年前に退職した先輩刑事・岩瀬（草薙幸二郎）が旅先で事故死したことを知る。下呂温泉から高山に向かう途中、車の運転を誤って崖から転落し、同乗の女性も死亡したという。
岩瀬の事故死が信じられない亀井は、十津川警部（高橋英樹）の許可を得て、西本刑事（森本レオ）とともに現地に向かう。
地元の刑事によると、岩瀬のわき見運転による事故で、事件性はまったくないという。ただ、同乗の女性は、事故の前日に泊まった旅館の宿泊名簿から“白石麻美”と名乗っていたことが判明するが、そこに書かれた住所や勤め先に該当者はいないということだった。亀井も、この女性にはまったく心当たりはなかった。
その夜、岩瀬と白石麻美なる女性は同じ旅館に泊まっていたことがわかる。旅館の仲居によると、事故を起こした朝、岩瀬が高山の朝市を見に行くと知った件の女性が、同乗させてほしいと、仲居を通じて頼んだというのだ。二人はそれまで一面識もなかったらしい。
翌朝、高山の朝市に出かけた亀井と西本は、前を歩くOL風の観光客がガイドブックを落としたのに気づき、拾ってあげる。ところがその直後、その観光客は何者かに背中をナイフで刺されて重傷を負い、病院に運び込まれたのだ。所持品から、藤代みゆき（岡元夕紀子）という東京のOLだと判明するが、なぜ襲われたのかはまったくわからない。
やがて、岩瀬の同乗者の身元が判明した。山田かずえ（鈴木千晶）という東京のインテリアデザイナーだった。急を聞いて、かずえの妹のあき（有坂来瞳）が駆けつけてくる。あきは、姉は岩瀬の事故の巻きぞえに遭ったと、亀井たちに抗議する。亀井はあきをなだめて、かずえのことをあれこれ聞きだそうとするが、お互い独り暮らしで干渉しあわないので暮らし振りはわからないといわれてしまう。さらに、なぜ姉が偽名を使っていたのか見当もつかないということだった。いったい岩瀬とかずえの死は事故なのか、それとも？
東京に戻った亀井は、かずえの経営しているインテリアの店と彼女の住むマンションの名義が、原田治（長谷川初範）という会社役員の名になっていることを知る。どうやらかずえと原田は愛人関係にあったらしい。
そんな中、下呂であきが背中を刺されて病院に運ばれるという騒ぎが発生する。これを知った亀井は、みゆきを刺したのと同一人物の仕業ではないかと推察する。だが、あきは何のために下呂に行ったのか？ 亀井は、いよいよ岩瀬の死は単なる交通事故ではなく、事件性があると確信を深めた。しかし、地元の警察はあくまで岩瀬の件は事故であり、みゆきとあきの刺傷事件も関連性はないと判断、亀井に協力しようとはしない。

 
【出演】沢口靖子、地井武男、今村恵子、野村祐人、長谷川朝晴、大方緋紗、子真行寺君枝、佐戸井けん太、桶浦勉、中原丈雄､吉野きみか、若林久弥、大森暁美、須藤雅宏、松井茜真夏竜、佐藤祐一、小山亜由子 ほか
 
電車の中で置き引き被害が多発しているため、鉄道捜査官の花村乃里子は強化パトロール中だった。電車が駅に到着した時、「こら、それは俺の鞄だぞ」という怒声が聞こえた。置き引き犯に倒された被害者を乃里子が助け起こすと、最近定年退職した先輩刑事の川島正だった。一方置き引き犯を追った望月は駅構内の雑踏で犯人を見失ってしまった。乃里子の仲人だった川島の死体が発見された。函館本線・渡島大野駅近くの線路脇だった。乃里子は川島の妻・君子と函館に向かった。川島は走行中の列車から転落し頭部打撲によるくも膜下出血が死因だった。川島は車内で首を絞められて失神し、突き落とされた。他殺の疑いが濃厚だった。川島は切符を所持していた。南千歳から函館までの「スーパー北斗16号」のグリーン券だった。川島が15時34分発の北斗16号に乗車したのは確認済みで、特急は窓が開かないため、どうやって車内から突き落としたのか？しかも森駅をでたら函館までノンストップのため途中の渡島大野で下車することも出来ない。この二つの謎がある。乃里子は、死体発見場所に花を供えて必ず犯人を逮捕すると誓った。その夜、東京の川島宅に空き巣が入った。泥棒は置き引き犯の九木だった。川島の書斎の手紙を狙ったらしい。手紙―乃里子は川島が黄色い手紙が送られてきてから何かを調べ始めたらしいと君子から聞いていた。黄色い手紙―刑務所から出した手紙。乃里子たちの調べで、その手紙の差出人はすぐ割れた。東京刑務所の受刑者で高井涼一という殺人犯だった。ところが高井は手紙を出した直後、独房で自殺していた。川島に宛てた手紙は自分は無実だと訴えだった。乃里子は高井が犯人とされた殺人事件を洗い直した。事件がおきたのは一年前、都内の高級マンションでOLの井上由美子が絞殺された。直ちに所轄署の川島たちが捜査に乗り出し、三人の容疑者を洗い出した。由美子の上司・田畑孝。フリーの設計士・野本裕二。学生時代からの恋人・高井涼一の三人だった。高井は当時失業中で、金のことで由美子と口論していた。家宅捜査の結果、部屋から由美子のキャッシュカードと現金50万円が見つかったことで、高井は逮捕された。乃里子たちはもう一度事件を捜査し直した。その矢先、函館大沼公園で、田畑の死体が発見された。

 
【出演】高橋英樹、高田純次、内山理名、国広富之、国生さゆり、朝倉あき、森本レオ、宇梶剛士、山村紅葉、中丸新将　ほか
 
　警視庁捜査一課の十津川警部（高橋英樹）はかつての同期で、現在は山形県警に勤務する向井警部（中丸新将）の息子の結婚式に出席するため、山形・鶴岡市へ。式が終わって羽黒山を観光していたところ、スケッチブックに自分の姿を描いている若い女性の存在に気づく。その女性は“白石ゆか”と名乗り、出羽三山までスケッチ旅行に来たと話す。そして、十津川と五重塔を描いた絵の片隅に“Y”のイニシャルを記すとスケッチブックから切りとり、記念にもらってほしいといってプレゼントしてくれた。
　その翌朝、鶴岡市内の雑木林で若い女性の刺殺体が発見される。帰路に着くはずだった十津川は、現場に“Y”のサインが入ったスケッチブックがあったと聞き、向井と共に臨場する。ところが、遺体は十津川が出会った女性・ゆかとは別人で、身元を示す所持品は見つからなかった。しかし、スケッチブックは確かに前日、ゆかが持っていたものだった。
　
　その後、ゆかの住所が東京・世田谷と判明。十津川から連絡を受けた亀井刑事（高田純次）が自宅を訪ねたところ、現れたのはレストランチェーン社長・白石圭一郎（国広富之）の娘・ゆか（朝倉あき）で、十津川に絵をプレゼントした女性とはまったくの別人だった。ゆかは車椅子生活を送っているらしく、鶴岡には出かけていないという。何者かがゆかになりすまして、鶴岡でスケッチ旅行をしていたのだろうか…!?
　そんな中、東京・上野でディスカウントショップ経営者・宇田川宏（山口竜央）が刺殺され、遺体のそばにまたもや『Y』のイニシャルが入ったスケッチ画が1枚置かれていた。捜査の結果、鶴岡市で身元不明女性が殺害された事件と同じ凶器が使われたことが発覚。犯人は早朝、鶴岡市内で身元不明の女性を殺害し、昼に上野に現れ、同じ凶器で宇田川を殺したのか…。だが、なぜ両方の現場に『Y』のサインが入った絵を残したのか、謎は深まるばかりだった。
　
　その矢先、ゆかが自分の名前を名乗ったのは、友人の小野寺由美子（内山理名）ではないかと連絡してきた。実は、ゆか自身も趣味で絵を描いており、絵画の道を志す由美子とある展覧会で出会い、仲良くなったという。以前、スケッチ旅行に出かけることができない自分に代わって、出羽三山のスケッチをしてきてほしいと由美子に頼んだことがあったという。
　十津川が由美子のもとを訪ねると…確かに彼女こそ羽黒山で出会った女性だった！　由美子は十津川と別れた後、スケッチブックを盗まれたと主張。しかも、2つの事件発生時のアリバイも完璧だった。だが、十津川は由美子が事件当日、鶴岡から東京まで帰って来たルートに疑惑を抱き…!?

 
【出演】高橋英樹、高田純次、星野真里、雛形あきこ、秋本祐希、林 泰文、山口馬木也、森本レオ、宇梶剛士、山村紅葉　ほか
 
　警視庁捜査一課の亀井刑事（高田純次）は、亡き親友の息子で弁護士の中村慎一（林泰文）から、ある自動車事故を調べ直してほしいと頼まれる。その事故とは5カ月前、箱根在住の画家・古木保男（山口馬木也）の妻・亜木子（森脇英理子）が運転中にガードレールに衝突し死亡したもので、中村の依頼人である亜木子の妹・井関ゆき（星野真里）が古木による保険金殺人を疑っているというのだ。
　ゆきはかなり思い詰めているらしく、前夜「あの男を絶対に許しません。殺して姉の仇を討つつもりです」と殺人を予告するようなメールを中村に送ってきたという。しかし、2人が話している最中に箱根署から電話が入り、ゆきが未明に古木を殺害し自首したことが判明。亀井は思いもよらぬ成り行きにがく然とする。
　
　その後、箱根署から正式な依頼が入り、事故の再捜査に当たることになった十津川警部（高橋英樹）たち。調べてみると、古木は事故の2カ月前に亜木子と結婚、亜木子の死により8000万円の保険金を受け取っていた。それだけではなく2年前、最初の妻・みどり（知江崎ハルカ）も結婚2カ月後に自動車事故で死亡。このときも、古木は5000万円の保険金を手にしたという。
古木は女性たちの間を渡り歩くプレイボーイだったようで、当時、亜木子の事故の捜査に当たった調布中央署は、古木の友人で元自動車整備工・白井豊（佐藤滋）の共犯を怪しんだものの、保険金詐欺の証拠は得られなかったらしい。
　
　ところが、十津川と亀井が白井の自宅を訪ねたところ、なんと彼の死体を発見。何者かに鉄パイプで襲われ、殺害されていた。死亡推定時刻は、ゆきが古木を殺した時刻とほぼ一致した。少なくとも、ゆきには、白井を殺すことはできない。
　翌日、ゆきが取り調べを受けている箱根署を訪ねた戸津川と亀井。そこで意外な事実が判明する。なんと古木の死因はナイフによる刺殺ではなく、青酸カリによる毒殺だったことが明らかになったのだ。ゆきは薄暗い部屋に忍び込み、古木の背中に一気にナイフを振り下ろしたと証言しており、すでに古木が死んでいたことには気づかなかったようなのだ。
結果的にゆりには殺人罪が成立せず、釈放が決まる。
　
　だがその後、奇妙な出来事が起きる。なんと死んだ古木から、ゆきをはじめ、生前、古木と関わりのあった人々に“招待状”が届いたのだ! 内容は「生前ご迷惑をおかけした皆様に箱根に集まってもらい、弁護士立会いのもと、遺言状を公開したい」というもので、古木の死後に箱根から投函されていた。
その招待状を受け取ったのは、ゆきのほか、最初の妻・みどりの弟・森川次郎（中林大樹）、古木とかつて交際していたクラブママ・望月京子（秋本祐希）、画廊経営者・岸本由美子（雛形あきこ）ら、捜査線上に浮かぶ男女ばかり。死者からの招待を受け、それぞれの思惑を秘めながら、箱根に集まる男女…。
古木はなぜ、自分を憎んでいたかもしれない人間たちを集めたのか!? その後もさらなる殺人事件が起き、事件はますます混迷の度合いを深めていく…!

 
【出演】沢口靖子、山村紅葉、長谷川朝晴、本田大輔、筧利夫

【ゲスト】勝村政信、武田梨奈、金児憲史、こがけん、長谷川初範　ほか
 
　警視庁鉄道捜査隊東京駅分駐所に所属する鉄道捜査官・花村乃里子（沢口靖子）は、東京駅構内で若い男性の刺殺体を発見する。その直前、現場から中年男が逃走するのを通行人が目撃していた。
　乃里子は、遺体のポケットから都内の高級住宅街の住所が書かれたメモを見つける。臨場した捜査一課の係長（こがけん）に渡そうとするが、そのとき乃里子の肩をそっと抱き、さえぎった男がいた。所轄署時代の先輩だった捜査一課刑事・三沢貴彦（勝村政信）だ。当時の三沢は上司と衝突した乃里子に「ひとりで背負い込もうとするな」と声をかけてくれる頼りがいのある先輩だったが、久々に再会した三沢は乃里子からメモを奪うと自分のポケットにしまいこみ、係長に報告する様子もない。明らかに何かを隠している三沢の態度に、乃里子は不審を抱く。
　まもなく、被害者の佐竹和則は恐喝の常習犯だったことが判明。また、件のメモの住所は大手通販会社社長・楠木孝蔵（長谷川初範）の自宅だとわかる。楠木は一代で会社を急成長させたやり手で、贈賄からパワハラまで悪い噂ばかりの男だった。
　三沢の要請もあり、乃里子は楠木の事情聴取に同行。楠木は最初、口をつぐんでいたが、妻の昭子（内田慈）に促され、ようやくある事実を告白する。
　実は、事件直前、佐竹が「娘を殺されたくなければ10億円用意して待て。警察には絶対に知らせるな」という脅迫状を持って自宅に乗り込んできたというのだ。東京駅で目撃された逃亡者は楠木の秘書・北島靖男(山本龍二)で、北島は楠木の命令で佐竹を追跡したものの東京駅で見失い、探し回っていたところ佐竹の遺体に遭遇。あわてて逃げただけだと打ち明ける。
　また、楠木によると、娘の香織（武田梨奈）は父の会社で宣伝部長を務めているが、最近、父親には反抗的で、楠木が反対するカメラマン・君原洋介（小久保寿人）との交際をやめようとしないばかりか、脅迫状のことを伝えても「大丈夫だ」と言ってまったく聞き入れないという。香織はまた、翌日開催するPRイベント、『秩父SLパレオエクスプレス縁結びツアー』も絶対に決行すると言い張っているという。
　乃里子と三沢は香織の警護のため、カップルを装ってそのイベントに参加するが、当日、怪しげな男がツアーを尾行していることが発覚。さらに、一瞬の隙をついて香織が何者かに誘拐される事件が起きてしまい…!?
　その後も新たな事件が次々と発生、事態は二転三転していくが、はたして三沢は何を隠しているのか…!?　そして一連の事件の真相は…!?