番組表

番組概要

Daiwa Houseスペシャル ネイチャー&ヒューマンスペシャル シリーズ14
神宿る上高地・母娘と生命の物語

 

 
かつて徳本峠を越え20kmの道のりを歩いてしか辿りつけなかった場所、北アルプス 標高約1,500mに位置する上高地。年間約140万人が訪れる日本を代表する山岳景勝地です。1928年には、国の名勝及び天然記念物に指定されました。手つかずの自然は、四季折々圧倒的な美しさを誇ります。
 

 
上高地のシンボル河童橋から徒歩1時間あまり、明神池のほとりに2軒の宿があります。それぞれ母と娘が守り継いでいます。
1880年に建てられた「嘉門次小屋」。猟の名人であり、山岳ガイドの草分けといわれた上條嘉門次が建てました。嘉門次は、日本近代登山の父と呼ばれたイギリス人宣教師ウォルター・ウェストンに槍ケ岳などを案内したことでも知られます。3年前に小屋を継いだ5代目 上條瑞穂さん(51)。夫・元貴さんの故郷 秋田で18年生活していましたが、家族で戻ってきました。
 

 
4代目の輝夫さんとともに50年以上小屋を守ってきた、瑞穂さんの母 大女将の久枝さん(80)。4年越しで進めていいた従業員宿舎の建設が決まり、完成を区切りに一線を退こうと考えています。夏休みを利用して小屋の手伝いに来たのは、瑞穂さんの長男・快晴さん(21)。アルバイトは未経験でしたが、新型コロナにかかった母 瑞穂さんを助けようと奮闘します。
 

 
嘉門次小屋の隣に、1953年開業、ランプが灯る宿「山のひだや」があります。営むのは、女将の中谷友香さん(56)と娘の衣里さん(32)。衣里さんはパティシエでもあり、元食堂だった場所を利用して手作りケーキが味わえるカフェも営んでいます。
 

 
物心つく前から上高地で過ごすことが多く、自然と共に生き、趣味は野生動物や景色を写真に収めること。中でも鳥が一番のお気に入りです。この秋、病気療養中で山へ来られない父・肇さんの跡を継ぎ、4代目になりました。母・友香さんと2人で宿を守ります。
 

 
上高地で観光客の人気を集めるニホンザル。世界で最も寒い地に住むサルとされ、厳冬期の様子を追いかけると、木の皮や笹、水生昆虫などを食べる姿が捉えられました。また、近年、河川の魚を捕食する写真が撮影され、世界初の報告として話題になりました。
 
インバウンドなど大勢の観光客が訪れるなか、神秘の森では今、人と野生動物の距離が近づいています。カラスが人の食べ物を狙ったり、サルが宿のイワナを食べたり…。適正な距離の保ち方が新たな課題になっています。

 

季節ごとに表情を変える美しい上高地を舞台に、大自然とともに生きる2組の母娘と生命の姿を見つめます。

 
 
ナレーター:中村 蒼(俳優)
 

1991年、福岡県生まれ。2006年 寺山修司原作による舞台「田園に死す」で主演デビュー。「ひゃくはち」(2008)で映画初主演を果たす。近年の主な出演作は、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(2025年1月5日放送開始)、NHKドラマ10「東京サラダボウル」(2025年1月7日放送開始)、連続テレビ小説「らんまん」(2023)、連続テレビ小説「エール」(2020)、Prime Video「沈黙の艦隊 シーズン1~東京湾大海戦~」(2024)、AppleTV+「Pachinko2」(2024)、映画「室町無頼」(2025年1月公開予定)、「アイミタガイ」(2024)など。