BS朝日

バックナンバー

#76

「津久見扇子踊り」(大分県津久見市)

大分県津久見市で毎年、お盆明けに開かれる「津久見扇子踊り」。戦国時代に始まり、毎年1000人近くの市民が夜闇の中で色鮮やかな扇子をきらめかせて踊る、津久見の夏の風物詩です。

今回、みらい遺産を紹介してくれるのは「津久見扇子踊り保存会」の樋口さん夫妻。
物心ついたときからこの扇子踊りを始め、70年以上踊り手を続ける、禮子さんと、櫓の上でお囃子として音頭をとる、夫の詔二さん。二人の縁を結んだのは、扇子踊りです。10代の頃、大のお祭り好きだった詔二さんが、得意の扇子回しを禮子さんに教えたことがきっかけでした。
以来50年あまり、ずっと一緒に参加し続け、今は“踊り手”“お囃子”として後継者の育成にも努めています。

手踊りで行われる盆踊りに比べて扇子踊りの動きは複雑で難しく、踊り手の動きが揃わなければ美しく見えません。音頭に合わせて、6重に並んだ踊り手の列が一糸乱れぬ扇子捌きを見せるとき、夏の宵に大輪の花が咲き誇る・・・ 踊りの夜、樋口さん夫婦がこの踊りに託す、想いに迫ります。