BS朝日

バックナンバー

#75

「明治からつづく市民の湯」(大分県別府市)

湧出量日本一を誇る、別府温泉。今回、みらい遺産を紹介してくれるのは、別府で生まれ育った平野芳弘さん(64歳)。毎朝6時、自宅から徒歩2分の場所に有る竹瓦温泉へ、一番風呂を目指して向かいます。
趣ある建物は、国の有形登録文化財で、別府温泉のシンボル的存在です。

数年前まで、役所に勤務。路地裏散策ツアーを企画したり、ボランティアガイドを務めるなど、町の再生に努めてきた平野さん。1975年以降、観光客の減少に伴い共同温泉や別荘が次々壊されるなど、町の変化と衰退の様を目の当たりにする中、平野さんは別府の歴史文化を守り継ごうとしてきました。
およそ40年にわたり独自に収集したグッズを、自宅の一部を改装した「温泉資料館」で展示したのです。
湯を楽しむ人々の写真やレトロな観光ポスターなど・・・昭和レトロな雰囲気でいっぱいです。

平成11年に老朽化のためコンクリート建造物に建て替えるという話が出た時も、平野さんらが人々に呼びかけ、反対運動を行い、見事撤回させました。
憩いの場でもあり、湯の町・別府の歴史を語る建物でもある竹瓦温泉。
温泉愛溢れる平野さんが、この共同湯に寄せる想いとは?