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#59

「富士山の麓に広がる 桜海老の天日干し」(静岡県静岡市)

春と秋の夕暮れ時、港を出て一斉に駿河湾に向かう船の姿は、桜えびの産卵期を避けて行われる、名物・桜えび漁。
駿河湾は日本で唯一、桜えび水揚げされる海なのです。

深海に潜む桜えびにとって、日本一の深さを持つ駿河湾は、生育に最適の場所。
富士川や大井川など大河が流れ込み、桜えびの食事となるプランクトンも豊富です。

今回みらい遺産を紹介してくれるのは、40年にわたり桜えびの加工業を営む安部亥太郎さん。

朝7時、安部さんが向かうのは富士川の河川敷。桜えび専用の天日干し場です。
砂利が敷かれ、風通しを良くした河川敷の一面に、桜色のじゅうたんが広がります。

気温や湿度、風の強さを考え、一時間ほどで素早く広げる職人技。
天日干しにすることで、その風味が大きく増すといいます。

深い海と、そこに恵みをもたらす山々。そして太陽の強い光。
この地の自然の恵みをいっぱいに受けた桜えびに寄せる、安部さんの想いとは・・・?