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#45

「風と雪の芸術 蔵王の樹氷」(山形県山形市)

今回、「みらい遺産」を紹介してくれるのは、
山形県山形市の写真家川田勘四朗さん(70歳)。
蔵王に生まれ、山の写真を40年以上写真を撮り続けてきました。
四季折々の蔵王の風景で最も心を奪われるのが、冬に見られる「樹氷」だといいます。

樹氷が見られるのは、国内でも奥羽山脈のごく一部。
シベリアから吹きつける冷たい季節風が、日本海の水蒸気を含み、
冷たい水滴を多く含んで蔵王連峰に到達。
平均風速10~15メートルの風と、マイナス15℃の冷気の中、
木に吹き付けられることで、樹氷ができるのです。

「樹氷」という名前がつけられ、広く知られるようになったのは昭和初期のこと。
それ以前は地元のごく一部の人の間「雪コブ」(雪の幽霊)と呼ばれていました。

戦後、スキーヤーの増加も相まって徐々に日本中に知られるようになり、
今では毎年多くの観光客が訪れるようになりました。

冬になると蔵王の山に通い、厳しい寒さと強風の中、樹氷を撮影し続けてきた川田さん。
日ごとに形を変え成長する樹氷を見つめる、川田さんの想いとは?