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#43

「冬に咲く笹野の削り花」(山形県米沢市)

今回、「みらい遺産」を紹介してくれるのは、山形県米沢市の戸田寒風さん(65歳)。
戸田さんはこの地域に伝わる「笹野一刀彫」と呼ばれる木彫り職人の6代目。
縁起物の鷹や尾長鳥を象る一刀彫の中でも、冬にだけみられる特別な彫り物が「笹野花」です。

この地域に生育する「コシアブラ」の丸材を「チヂレ」という専用の刃物で削り、
一枚一枚、花びらを削り出します。
200枚ほどの花びらに色を付けてツゲの木の枝に差し、菊や椿、牡丹に見立てるのです。

笹野花は約1200年前、この地の観音堂に供えられた木彫りの花が発祥と言われます。
雪深い米沢では正月に仏壇に飾る生花がないため、その代わりに笹野花が仏壇を彩ってきました。
昔は、農家の男性が副業として作り、女性がそれを町に出て売り歩いたという笹野花。
現在でも旧正月の時期に合わせて笹野花の屋台が出され、多くの人でにぎわいます。
雪国の人々の想いを今に伝える伝統の技に込めた、戸田さんの想いとは・・・?