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#253

ナバホ族の聖地
モニュメント・バレーとハリウッド

日本ではほとんど知られていないアメリカ最大のネイティブ・アメリカン居留地「ナバホ・ネイション」の旅、第3弾。この地が最初に世界的に注目されたきっかけはハリウッド映画でした。巨匠監督ジョン・フォードが「モニュメント・バレー」で「駅馬車」など数々の名作の生み出したことで、ナバホ族の聖地は、同時に「西部劇の聖地」にもなりました。その後も「バック・トゥー・ザ・フューチャーⅢ」など不朽の名画を数多く生み出したこの地を映画評論家の町山が徹底取材。

 


 

ナバホ族と名作ハリウッド映画の関係?
米国最大のネイティブ・アメリカン居留地「ナバホ国」の旅。この地が世界に注目されたきっかけはハリウッド映画だった。ナバホ族の聖地は、西部劇の聖地にもなっている。
今回は、ナバホ族とハリウッド映画の関係を町山智浩が徹底取材!

 

西部劇の名所モニュメントバレー
町山によると、ナバホ国にある巨大な岩山「モニュメントバレー」は、ジョン・フォード監督の西部劇にいつも登場するため有名になった。監督がモニュメントバレーで西部劇を撮り始めたのは、1939年の映画「駅馬車」から。
それまでの西部劇はハリウッドで撮影されていたが、ジョン・フォード監督は、なぜわざわざモニュメントバレーまで行ったのか?きっかけは、ナバホ族を相手に交易所を営んでいたグールディング夫妻が、モニュメントバレーをハリウッドに売り込んだことだった!

 

グールディング夫妻の博物館へ
グールディング夫妻が営んでいた交易所は今も残されていて、現在建物は夫妻の博物館になっている。町山が博物館を訪問し、ガイドのラリーさんに案内していただいた。
グールディング夫妻の働きかけで、モニュメントバレーでは多くの映画が撮影されるように!ジョン・フォード以降も、「バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3」(1990)、「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994)など、モニュメントバレーでは様々な名作が生まれた。
「駅馬車」の撮影では、呪術医だったラリーさんのひいひいおじいさんに関する驚きの逸話も!

 

<商品情報>
「バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3」Blu-ray:2,075円(税込)/DVD:1,572円(税込)
・発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
・メーカー商品ページURL: https://db2.nbcuni.co.jp/contents/hp0002/list.php?CNo=2&AgentProCon=17177

 

「フォレスト・ガンプ 一期一会」4K ULTRA HD+ Blu-rayセット:6,589円(税込)/Blu-ray:2,075円(税込)/DVD:1,572円(税込)
・発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
・メーカー商品ページURL: https://db2.nbcuni.co.jp/contents/hp0002/list.php?CNo=2&AgentProCon=37630

 

町山 念願の名所“ジョン・フォード・ポイント”へ
モニュメントバレーをこよなく愛したジョン・フォード監督。彼が撮影した場所は“ジョン・フォード・ポイント”と名付けられ、今では観光名所になっている。
憧れのジョン・フォード・ポイントを訪れた町山が、馬上から雄大な眺めを堪能!

 

ジョン・フォードの作品の変化
ジョン・フォード監督がナバホで映画を撮り続ける間に、作品に起きた変化について町山が解説。「駅馬車」では、先住民を恐ろしい存在として描いていたが、その後の「黄色いリボン」(1949)、「捜索者」(1956)、「シャイアン」(1964)では描かれ方が段々変わっていったという。

 

ナバホ族が活躍する作品
町山によると、ナバホ族の人たちは映画で「コマンチ族」や「アパッチ族」などを演じてきたが、彼らが「ナバホ族」を全く演じていないという状況がずっとあった。しかし、1本だけナバホ族についての映画がある。
ジョン・ウー監督の映画「ウインドトーカーズ」(2002)は、第二次世界大戦中、ナバホ族の暗号通信兵の護衛任務についた兵士を描いている。戦争で活躍したナバホ族の「コードトーカー」とは何か?その存在がなぜ今まで知られずにいたのか?町山が解説。