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#239

没後55年
キング牧師と公民権運動 ~後編

1968年4月4日、米テネシー州メンフィスで凶弾に倒れたマーティン・ルーサー・キングJR。奴隷解放宣言後も南部で100年以上続いた人種隔離政策を非暴力で闘った公民権運動の偉大なる指導者です。没後55年となる今年、彼の生まれ育った街を、キング牧師の運転手だったトムさんと共に回り、公民権運動とは何だったのかを2回にわたって徹底解説。後半は公民権運動の拠点となった作戦本部や最後の住居、分岐点となった1965年のセルマの大行進、そして39歳で凶弾に倒れるまでの足跡をたどります。

 


 

キング牧師の足跡を追う 後編
わずか10年足らずで、100年以上続いた南部の人種差別政策を撤廃させた若き指導者 マーティン・ルーサー・キング・Jr.牧師。彼が主導した公民権運動とは、どのような闘いだったのか?
後半の今回は、大きなターニングポイントとなった非暴力運動「セルマの行進」、そして39歳の若さで凶弾に倒れるまでの足跡をたどる。

 

アメリカ国防総省の機密情報が流出!?
米国防総省の機密文書がSNSに流出し、21歳の空軍州兵が逮捕されたニュースについて、映画評論家の町山智浩と俳優・藤谷文子がトーク。町山が、日本で起きているSNSへの迷惑動画投稿との共通点を指摘した。

 

公民権運動の指導者 キング牧師の偉大な足跡
キング牧師が生まれ育ったジョージア州アトランタを訪れた町山が、公民権運動を闘ったトム・ハウクさんと共にゆかりの地を巡る。キング牧師が通った「デヴィッド・T・ハワード小学校(現・中学校)」について教わった。
続いて案内されたのは、学生非暴力調整委員会の拠点、通称「フリーダムハウス」。公民権運動の作戦本部となった場所で当時の話を聞いた。

 

黒人の投票権を求める抗議デモ“セルマの行進”
「セルマの行進」は1965年3月、キング牧師の指導のもと黒人の投票権を求め、アラバマ州セルマからモンゴメリーまで5日間行われたデモ行進。当時の南部では、黒人は選挙人登録の際、ある理不尽な方法で排除されていた。
アラバマ州セルマにある「エドマンド・ペタス橋」では、毎年3月にセルマの行進の再現イベント「ブリッジ・クロッシング」が行われる。
4年前、町山もそのイベントに参加。セルマの行進のスタート地点となっていた「ブラウン・チャペルA.M.E.教会」を出発し、1965年の行進に参加したシンガーのチャールズ・ネブレットさんに話を伺った。

 

<ブラウン・チャペルA.M.E.教会>
・住所:410 Martin Luther King Street, Selma, AL 36703
・電話:(334) 874-7897
・公式サイト:https://brownchapelamechurch.org/

 

非暴力主義を貫く抗議運動
セルマの行進の参加者たちは警官隊から暴力を受けたが、キング牧師は無抵抗であることを全員に守らせた。キング牧師が「絶対に抵抗するな」と言った理由とは?町山が解説。

 

キング牧師の功績をアトランタで紐解く旅
トムさんの案内で、黒人の地位向上に貢献した“キング牧師の右腕”ジョン・ルイス氏を称える巨大な壁画を見せてもらった。
続いて、ジョージア州議会議事堂にあるキング牧師の銅像へ向かったが、今はフェンスがあり近づく事ができないという。フェンスが建てられた理由には、周辺にある南軍の将軍像が関係していた?!
キング牧師が生前最後に住んだ家も訪れ、トムさんが見た彼の最後の姿について語ってくれた。

 

キング牧師暗殺にまつわる謎
1968年4月4日、キング牧師はテネシー州メンフィスの宿泊先で射殺された。逮捕された人物はいたが、犯人については未だによく分かっていないという。町山が暗殺にまつわる謎を解説。