放送内容

#101

演じて看る~91歳 認知症介護を救った演劇~

「殺してやろうか―」91歳の岡田忠雄さんの日記にはこう書かれていた。妻・郁子さん(91)が約10年前に認知症を患ってから、自宅で介護を続けてきた。夜中に徘徊したり罵声をあげたりする郁子さんに何度も手をあげてしまった。介護施設に預けたいー。
介護に苦しむ中、“老いや認知症”をテーマに活動する劇団に出会う。主宰は俳優で“介護福祉士”の菅原直樹さん。菅原さんが伝えることは“演じて介護”。介護者が認知症患者の“ぼけ”を正さずに受け入れる。岡田さんは“演じて介護”で救われ、腹が立つことはなくなった。ようやく順番がまわってきた介護施設への入所も断った。「いないとさびしい、家族だから」。
さらに劇団で看板俳優として活動し始め、生きる楽しさを見つけた。“演じて看る”これが91歳の介護の日常。
 
【ナレーター】
奥貫薫
 
【初回放送】瀬戸内海放送:2018年5月19日