放送内容

#43

第18回民教協スペシャル
流転~追放の高麗人と日本のメロディー~

 
中央アジアの国々に、約40万人の“高麗人(コリョサラム)”とよばれる人たちが住んでいる。彼らの先祖の多くはもともと朝鮮半島に暮らしていたが、1910年の日韓併合以降、彼らは日本の植民地支配に抵抗するため、あるいは貧しさから逃れるために異郷の地に移り住んだ。そして流転の末、たどり着いた新天地が南ロシア・ロストフだった。
 
そんな高麗人たちと共に、ユーラシア大陸を西へ西へと流れていった歌があった。彼らが「故郷山河」とよぶこの曲には異郷の地で故郷を思う高麗人たちの嘆きや悲しみが込められており、高麗人にとってまさに民族の歌ともいえるものだが、なんとこの歌のメロディーは日本の楽曲「美しき天然」だったのだ。
“居場所を奪われた”高麗人たちの歴史を追いかけ、南ロシアへ。ウズベキスタンの写真家で高麗人のアン・ビクトルさんも同行し、高麗人100年の物語をたどっていく。
 
【ナレーター】
竹下景子
 
【初回放送】熊本放送:2004年2月11日