放送内容

#27

人間としての一歩 ハンセン病と生きて

岡山県瀬戸内市の海に浮かぶ長島に1930年に長島愛生園は開設された。
全国初の国立ハンセン病療養所で、隔離の始まりとなった場所。ハンセン病だと診断された患者たちは当時、故郷を離れこの島に来ることを余儀なくされた。本土と長島を隔てる距離はわずか18メートルほど。たった18メートルで、仕事を選ぶこと、子どもを持つこと、堂々と生きること・・・人間らしく生きる権利を奪われた。
兵庫県明石市を追われ、この島にやってきた石田雅男さんもその一人だ。ふるさと明石に、親せきの姿はもうない。隔離によって失ったものも、差別で受けた悔しい思いも消えることはない。それでも、奪わせなかったものも、得たものも、振り返ってみればたくさんあった。
番組では石田さんの1年に密着。長島愛生園の自治会の役員として積極的に働く姿、療養所で出会った妻との生活、忍び寄る老いとの戦い。ハンセン病とともに生きる石田さんの日々を通して人間の強さを見つめる。

【初回放送】サンテレビ:2019年5月26日