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#92

世界が認めた都の美

京都には、世界から絶賛される“美しいもの”があります。今回は、俳優の檀れいさん、賀来千香子さん、羽田美智子さんが、都の職人たちが生み出した「逸品」巡りの旅へ。
檀れいさんが訪れたのは、世界に名を馳せる料亭「京都吉兆 嵐山本店」。3代目、徳岡邦夫さんから、吉兆の積み重ねてきた奥深い歴史を聞き、もともと松下電器の創業者・松下幸之助が岡崎に所有していた山荘を移築して改装した美しい建物を拝見。料理は、国内最高級と名高い幻のカニ、京丹後で水揚げされるタイザガニをはじめ、季節を映しとった、色とりどりの日本料理を堪能します
賀来千香子さんは、シャネルをはじめ、世界のトップブランドが研修に訪れる、江戸時代創業の帯匠「誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)」を訪ねます。その帯は、素材、技術、意匠、すべてに妥協なく、こだわり抜いた「究極の逸品」です。源兵衛さんから、帯のはじまりの歴史を聞き、手がけた帯を見せて頂きます。伊藤若冲にちなんだ帯や、孔雀の羽根を織り込んだ帯などを目にした賀来さんの反応は…?
羽田美智子さんは、伏見区の江戸時代から続く「染司(そめのつかさ)よしおか」の工房へ。伝統の技で染織を行っているのが、六代目当主の吉岡更紗(さらさ)さん。一流ホテルなどに飾られる鮮やかな色の布は、植物など天然の染料だけで染められたもの。その伝統の染め技を、実際に見せて頂きます。そして、平安時代から日本人独特の色彩美を再発見します。
最後は再び檀れいさん。訪れたのは、日本で唯一、400年続く唐紙専門店「唐長」。江戸初期から続く唐長の「唐紙」は、桂離宮や二条城など、多くの歴史的建築物で、襖や建具などに使われてきました。そんな伝統の技を受け継ぐ職人が、今、世界から注目されている唐長当代、千田長右衛門(ちょうえもん)さん。檀れいさんは、和紙に板木で模様を刷る様子を見学。受け継いだ伝統が進化していることを知ります。
長い時に育まれた。都の伝統。その美しさが、国境を超え、時代を超えて、多くの人の心を動かしているのです。