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#89

風吹ジュン
都のありがたい国宝巡り

今回の旅人は、番組初登場、京都に拠点を持つ俳優の風吹ジュンさん。実は風吹さん、中学生からデビューするまでの間を京都で過ごすなど、この地と深い関わりを持っています。そんな風吹さんが、都の国宝を巡りながら人生を見つめ直す旅に出かけます。
まず訪れるのは妙心寺の塔頭・退蔵院。世界中の著名な宗教家とも交流を持ち、ラジオのコーナーを担当するなど精力的に活動をする松山大耕副住職に案内いただきます。退蔵院で見せていただく国宝は、日本最古の水墨画といわれる「瓢鮎図」。「小さな瓢箪でそれよりも大きなナマズを捕まえることができるか」という禅問答を描いたものです。室町時代の高僧たちの答えを教えていただきながら、風吹さんもこの難問に挑戦します。これまで数々の答えがあった中でも、副住職がベストアンサーだという答えを教えてもらうため、副住職の祖父が手がけた庭「余香苑」を訪れます。その驚きの答えとは?
若い頃は忙しく、なかなか訪れる機会がなかったという嵐山。その奥まった場所で門を構える祇王寺。紅葉の名所として知られる古刹ですが、紅葉が終わった今の時期だからこそ出会える青々とした美しい苔庭と対面します。そんな祇王寺に伝わるのは、時の権力者・平清盛に翻弄され、人生を狂わされた女性たちの悲劇の物語です。話を聞いた風吹さんは、彼女だからこその意外な感想を抱きます。
京田辺市にある観音寺にも足を運びます。ここで出会うのは、国宝に指定されている十一面観音菩薩像のうち、現存するわずか八体のひとつであり、その中でも最も美しいと称される仏様です。手で触れるほどの近距離でこの美しい仏様をじっくりと拝し、そのありがたい教えを噛み締めます。
最後に向かうのは世界遺産・平等院鳳凰堂です。平等院ミュージアム鳳翔館では、平安時代の梵鐘や旧1万円札のデザインに採用されていた鳳凰などの国宝を鑑賞します。そして26躯すべてが国宝だという雲中供養菩薩像を拝見。鳳凰堂で鎮座する阿弥陀如来の周りで楽器を奏でたり、踊ったり、一つとして同じ姿をしていない菩薩様たちの役割について教えていただきます。