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#76

藤原道長と宇治の名所

京都の南東に位置し、指折りの観光名所として知られる宇治。中でも世界遺産に名を連ねる平等院は、平安時代に栄華を極めた貴族、藤原道長がかつて別荘とした場所に、道長の子、頼通が創建した美しい寺院です。
そんな宇治には、実は平等院以外にも藤原道長にまつわる場所がいくつもあるのです。今回は中村雅俊さんがこの地を巡りながら、宇治と藤原道長の深い関係と歴史をひもときます。
まず訪れたのは平等院鳳凰堂から宇治川沿いに約1キロほど離れた山の中。そんな山の中に藤原道長が足繁く通っていたというのです。それは一体なぜ? そこから更に足を伸ばすとたどり着くのが「天ヶ瀬ダム」。宇治の観光の中心地から歩いて来られるため「日本一街に近いダム」とも言われます。この天ヶ瀬ダムが湛えるダム湖は別名「鳳凰湖」。そこには平等院鳳凰堂との意外な共通点が。さらにダムのアーチ部分に登り、大迫力の絶景も楽しみます。

続いて、山道を降りて白川と呼ばれる場所へ・・・一見、何も無さそうですが、実はここ、道長の孫が創建した寺院があった所。なんと、あの平等院にも匹敵する大寺院。実際、どんな姿だったのでしょうか? 近年行われた発掘調査により、ある大発見が!その発見と合わせ、時代背景を考えた時、あの世界遺産・中尊寺金色堂へと歴史ロマンが広がります。また近くにある鎮守の社では、かつての貴族の暮らしを彷彿とさせる超貴重な建物とその内部を特別に拝見させていただきます。
宇治の中でも高い人気を誇る三室戸寺は、四季折々の花に彩られた「花の寺」として知られます。実はここも藤原道長と関係のある大河ドラマで話題の人物と意外な繋がりがありました。
そして藤原氏と言えば、一族の女性を天皇に輿入れさせることで権勢を高めて行きましたが、そんな藤原家の女性たちのお墓が宇治の各地に点在しています。実はそのエリア付近に藤原道長の墓もあるというのです。近年の研究を元に、道長の墓の位置に迫ります!
そして宇治ならではの食を味わいに、川沿いに建つ創業180年の老舗「辰巳屋」へ。宇治の名産である「お茶を食す」という発想から生まれた、見た目も香りも楽しめる絶品料理をいただきます。
宇治で出会う藤原道長の足跡、ぜひお楽しみに。


【専門家出演者】
●京都芸術大学
 歴史遺産・日本庭園研究センター
 杉本宏さん