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#63

山と清流
〜夏に巡る絶景と伝統美〜

厳しい暑さで知られる京都の夏ですが、街から少し足を伸ばせば、涼やかな山の麓へとたどり着きます。今回は、俳優の賀来千香子さんが京都の北に連なる山麓のエリアへ。そこには、京都ならではの深い歴史と、涼を感じる清流、そして他では見られない絶景との出会いが待っていました。
まずは清流、清滝川沿いを、夏の輝くような青もみじを楽しみながら山歩き。その風景の美しさは、古来より「錦雲渓(きんうんけい)」とも呼ばれるほど。また、この清滝川上流は 北山杉の名産地としても知られます。住まいはもちろん、金閣寺や桂離宮といった京都名所にも使われる名高い杉材で、その一部は「台杉」という特別な仕立て方で育てられています。山あいに足を運ぶと、珍しい台杉が連なる圧巻の絶景が!賀来さんも驚いたその眺めとは。

続いて少し山を下り、鷹峯(たかがみね)と呼ばれる場所へ。この地で約700の時を刻む「源光庵(げんこうあん)」は、あの「そうだ、京都行こう」のCMで有名な「悟りの窓」「迷いの窓」がある寺院。心癒やす美しい窓のしつらいに込められた禅の教えとは。
また鷹峯は江戸時代初期、芸術家として知られる本阿弥光悦を中心に、芸術村として発展した地域。そんなこの地で、京ならではの伝統美を生み出し続けるのが「羽田工房」です。人間国宝、羽田登喜男さんが作った手描き京友禅の工房で、1986年には京都の友禅作家を代表し、イギリスのダイアナ元妃に羽田工房の京友禅が贈られたほど。現在、その技を受け継ぐ羽田登さん、登喜さん親子に、数ある工程の中でも最も大切な、「色挿し」の作業を見せていただきます。さらに今回特別に、羽田工房の京友禅を賀来さんが実際に着させて貰えることに。夏らしい風物に彩られた京友禅を、源光庵の美しい庭園で披露します。
そして京の夏ならではの料理を味わいに、「高台寺十牛庵」へ。数寄屋建築の名匠、中村外二(なかむらそとじ)による格調高い部屋で、名高い作庭家、七代目小川治兵衛の手掛けた庭園を楽しみながら、京都の夏の到来「祇園祭」を感じる料理に舌鼓を打ちます。
夏に行きたい山と清流を訪ね、絶景と伝統美を堪能する旅、是非お楽しみに。


【専門家出演者】
●まいまい京都 代表
 以倉 敬之さん